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社説 流通市場活性化のカギ 今こそ空き家活用を突破口に

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 空き家対策の目標は、今以上に空き家を増やさないことだが、少子高齢化が続く状況下ではなかなかに難しい課題だ。

 15年には空き家対策の推進に関する特別措置法が施行され、自治体などが「特定空き家」として認定した空き家を、行政代執行で除却する道が開かれたが、所有権を強く保護している我が国ではその効果は限定的だ。空き家対策としては、有効活用を進めることのほうが現実的で、環境にも配慮した手段だろう。

 18年の「住宅・土地統計調査」によれば、空き家のうち、利用目的が定まっていない持ち家である「その他住宅」が348万戸に上り、全体の4割強を占めている。今後、持ち家率の高い世代が一段と高齢化し、大量の相続物件の発生が想定されるため、まさに空き家の活用促進は不動産流通市場の重要課題となる。

 そうした中、空き家活用を新たなビジネスとして立ち上げる企業も出現している。例えば、空き家を中心に中古住宅を買い取り、デザイン性の高いリノベーションを行った上で販売する会社とか、全国の魅力的な空き家を借り上げ、募集した会員向けに貸し出すビジネスも始まっている。このほか不動産コンサルティングを志す人たちを中心に、空き家の利用・活用・管理などに必要な知識を学び、空き家問題の解決に努めることを目的とした全国的活動も始まっている。

 こうした取り組みを見ると、不動産流通という言葉は物件が流通するという意味だが、よく考えるとそれは「人が動いている」ということでもあることに気付く。国土交通省が、働く時間や場所にとらわれないリモートワークを活用した「二地域居住」や「複数拠点生活」を推進しているのも、そうした人の交流を活発化させることこそが、人口減少時代には重要と考えているからではないか。

 空き家活用を促進するためには、不動産流通市場を従来の「物件流通」という考えから、「人が動くための新たなニーズ発掘」という考えに移行していくことがカギになりそうだ。近年、不動産流通市場では〝物件先行〟ではなく、ユーザーが自分にマッチした仲介担当者を探すという動きが始まっている。これも不動産業はそれが空き家活用でも、一般の住宅の仲介でも、まずはその物件を求める人のニーズや思いを的確に捉えることが重要という認識が広まっているからだろう。

 空き家活用はこれからの不動流通市場活性化の突破口になる。二地域居住など人の動きに変化が表れ始めたこともあるし、5月中旬から始まる不動産取引のオンライン化も空き家活用を促進するチャンスとなる。オンライン化は遠隔取引や、投資・運用の分野から普及し始めるとみられている。例えば東京の投資家が京都の空き家に投資する機会を増やす可能性も秘めている。

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