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大言小語 遊び方改革

 日本では5月のゴールデンウイーク、お盆休み、年末年始が3大連休で、例年ならば高速道路は渋滞し、飛行機も新幹線も満席の時期だ。今年もコロナ次第だろうが、働き方改革の進展によっては、これから日本人の長期休暇の取り方に大きな変化が出てくるかもしれない。

 ▼ある中堅の管理会社は、オフィスの大改造を機に、社員の働き方も完全フレックス制を導入し、休暇の取り方も自由にするなど社員の自主性に任せるのだという。考えてみると、日本人の働き方は、これまで会社の規則に縛られすぎて、それが「規則にさえ従っていれば大過なし」という受け身の姿勢を助長した面があるのではないか。

 ▼テレワークの普及で全社員が同じ時間帯に同じオフィスに集まって働く姿が崩れるとすると、全社員が一斉に大型連休を取るというスタイルも変わっていくだろう。仕事も休暇も1年のスケジュールを自分で立て、責任を持って進めていくほうが、自主性が高まり、仕事の生産性も上がりそうだ。先の社長は「待遇に恵まれた大企業ならばともかく、中小企業は社員を信じて自由に楽しく働いてもらうことが一番大切」という。

 ▼〝民族大移動〟とも揶揄される日本の3大連休は、自主的というよりは、「休まなければ」という脅迫観念のほうが上回っているようにも感じる。働き方改革が日本人の遊び方改革にもつながっていくことを期待したい。