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クラブハウスに電子鍵・施設予約機能 トヨタホーム 千葉県の戸建て分譲地で運用

 トヨタホームは4月7日、戸建て分譲地「ザ・シェブロンノット」(千葉県印西市牧の原、全136区画)に建設したクラブハウスを報道陣に公開した。最大の特徴はデジタルキー(電子鍵)の仕組みにより、スマートフォンで解錠ができ、施設利用の予約機能と連動する点だ。今回が初の試みだが、同社は大型分譲地にはクラブハウスを建て、デジタルキーを導入する方針だ。

 今回の仕組みは、親会社のプライムライフテクノロジーズ(PLT)が資本業務提携しているビットキー社(東京都中央区)が開発したタウンポータルアプリ「homehub(ホームハブ)」を活用する。同アプリに「ザ・シェブロンノット」専用のメニューを用意。居住者はクラブハウス内の施設・スペースの利用時間を選択、用途目的を入力すると、クラブハウスのドアを解錠するためのデジタルチケットが送られてくる。

 スマホでの解錠は利用時間のみ。入退出履歴は管理会社がチェックできる。トヨタホーム街づくり事業部街づくり推進グループ長の尾崎彰彦氏は「カードキーを全世帯に配布する仕組みでは、カードキーをなくすリスクがある。使いやすさとセキュリティの〝いいとこどり〟を狙い、今回の仕組みを採用した」と説明した。

 クラブハウスの鍵の受け渡しの解消、アプリから施設予約ができる利便性により、施設利用の活性化、コミュニティ育成を促す。加えて、専用メニューでは、管理組合や管理会社からの通知、管理組合の総会や理事会の議事録などの閲覧ができ、地域情報の確認もできる。

 今回のクラブハウスは平屋で、延べ床面積は98m2。管理組合の総会、勉強会、ワークショップなどの利用を想定し、テレワークスペース、ソファなども配置。太陽光発電設備、蓄電池、防災備蓄倉庫、電気自動車とつなぎ電源として利用する給電システムを備え、防災に配慮する。

 運用は6月4日の管理組合立ち上げに伴い開始する。同分譲地は昨年7月から販売を開始し、63戸(第1~3期)のうち53戸が契約済み。管理組合の立ち上げは入居状況を踏まえる。

 デジタルキーの仕組み・施設利用機能は、第2弾として「ザ・セントラル」(東京都昭島市もくせいの杜、全157区画)のクラブハウスに採用。産官学連携で推進する「ブリッジライフプラットフォーム構想」(埼玉県久喜市南栗橋)の戸建て街区(予定数172戸)での導入も視野に入れている。