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モータースポーツ起点のまちづくり トヨタ自や東和不など「富士モータースポーツフォレスト」プロジェクト推進

 トヨタ自動車、東和不動産、富士スピードウェイ(株)は、静岡県小山町において、「富士モータースポーツフォレスト」プロジェクトを推進する。富士スピードウェイを中心に、ホテル、モータースポーツミュージアム、温浴施設、レストラン、レーシングチームガレージなどで構成した、「モータースポーツを起点としたまちづくり」(佐藤恒治トヨタ自動車執行役員)。トヨタグループは、静岡県裾野市で実験都市「ウーブンシティ」を開発しており、東和不動産の山村知秀社長とトヨタ自動車の佐藤執行役員は、将来的に同プロジェクトと「ウーブンシティ」の連携を図る意向を示した。

東和不は「トヨタ不動産」に

 同プロジェクトでディベロッパーとして開発を担当する東和不動産は、4月27日から社名を「トヨタ不動産株式会社」に変更。トヨタグループのディベロッパーとしての位置付けを明確にする。山村社長は、今回の社名変更について「身の引き締まる思い。(トヨタ自動車社長である)豊田章男東和不動産会長には、不動産の世界の人間としてできることを思うようにやってくださいと言われている。事業の幅を広げていく今だからこそ社名を変更した」と話した。

 同プロジェクトは、「大人の遊び場・社交場」を目指し、モビリティとモータースポーツの魅力を知り、楽しみ、参加するために、体験を提供する施設を整備する。「富士スピードウェイホテル」(総客室数120室)は、富士スピードウェイ西ゲートの隣地に位置し、ハイアットグループによる運営で、日本初上陸ブランド「アンバウンド コレクション by Hyatt」として開業する。開設予定の新東名高速「小山PA・スマートインターチェンジ(仮称)」から自動車で約3分、東名高速「御殿場IC」から約20分の距離にある。

 国内外のメーカーの協力で、レーシングカー約40台を展示した「富士モータースポーツミュージアム」をホテルに併設する。ホテルに隣接するエリアに、プロレーシングチームのガレージや近隣から立ち寄れる温浴施設やレストランなどを整備。プロレーシングチームのガレージ特別見学ツアーや、メーカーファクトリーなどのイベントを行う。

 22年秋に「富士スピードウェイホテル」と「富士モータースポーツミュージアム」がそれぞれ開業を予定。23年以降、更に多くのレーシングチームのガレージなどが順次、開業する計画だ。

 豊田章男トヨタ自動車社長は、同プロジェクトについて「モータースポーツを楽しむ人も、モータースポーツで働く人も、大人も子供も、この富士の地に来たいと思ってもらえるような場所にしていきたい」とコメントした。