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東京建物、人材獲得重視の立地と仕様 物流施設2件目 習志野で稼働

 東京建物が物流施設開発を加速させている。1月末に独自開発の物流施設「T-LOGI習志野」を竣工し、2月から稼働を開始。同シリーズの第2号物件となり、テナントとなる物流会社等のニーズを踏まえた立地条件や設備・仕様を武器に、現在はリーシングに注力している。

 「T-LOGI習志野」はJR京葉線新習志野駅から徒歩17分、23年春開業予定の同幕張豊砂駅からは徒歩10分の立地。東関東自動車道谷津船橋ICから約2.9キロ、京葉道路幕張ICから約4.5キロに位置する。敷地面積は約1万4010m2。

 建物はRCおよびS造・4階建てのマルチテナント型物流施設で、延べ床面積は約3万3670m2(約1万100坪)。倉庫エリアは約8000坪を4区画に分けて賃貸する。創エネや各種省エネ仕様の採用により、BELSの最高ランクである「ZEB」認証を取得している。自家発電した電力は共用部で消費するほか、非化石証書を発行して売却することでテナント企業の環境対応を支援する。また余剰電力は、同社の所有する商業施設に、一般電気事業者の送配電網を用いて送電する「自己託送」で活用。

 同施設が強みとするのは、テナント企業による従業員確保を後押しする立地や設備・仕様だ。3月24日の見学会で、同社ロジスティクス事業部事業グループの岡野春日子課長は「物流施設の人材獲得競争は激しい。しかし従来の物流施設は一般的に駅からの距離を重視していなかったため、当施設は首都圏の湾岸エリアとしては通勤利便性や周辺の居住人口などの面で優位性が高い」と説明した。

 また同施設4階に配置された共用ラウンジには、施設規模に対し比較的多くの床面積を割いた。同社は今後、同エリアで「(仮称)T-LOGI習志野2」を6月に竣工予定。更に年内にも首都圏で複数の「T-LOGI」竣工を予定しているなど、物流施設の拡大を進めていく計画だ。