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備蓄食品を子ども食堂へ 積水ハウス マッチング実証実験に参画

 積水ハウスは、企業が保有する入れ替えのタイミングを迎える災害用備蓄食品と大阪府内の子ども食堂のマッチングを行う実証実験に参画する。これは子ども食堂支援のDX化を進めるもの。実験期間は2月14日~3月10日。

 この実験はスマートフードチェーンプラットフォーム(SFP)の仕組みを活用する。SFPは農業分野において、育種から生産、流通・加工、販売消費までのデータを連携させ、サプライチェーンの最適化を図るもの。今回のスキームでは、慶應義塾大学SFC研究所がデータ連携をサポート、社会貢献型ショッピングサイトを運営するクラダシ(東京都品川区)が提供される備蓄食品情報と府内5団体が運営する子ども食堂をマッチング。積水ハウスと三井住友銀行が入れ替えを迎える備蓄食品を提供し、東京・日本交通(大阪市福島区)が配送を担当する。

 積水ハウスはESG経営の中で「子ども」(キッズ・ファースト)と「環境」(エコ・ファースト)を重視してきた。また、クラダシとは21年10月に京都府京丹波町のフードロス問題の解決、地方創生などで協定を締結した経緯もあり、実証実験参画を決めた。今回、積水ハウスは京都府木津川市にある総合住宅研究所のアルファ化米150食分を提供する。

 2月14日にクラダシ本社で開かれた会見で、積水ハウス人事総務部総務企画室の楠正吉室長は「地域ごとに子ども食堂やフードバンクはたくさんあり、提供する側には賞味期限の問題がある。マッチングは本当に難しく、タイミングよく応援することは難しい。今回のような先進の方法によるマッチングシステムは期待ができる」と述べた。

 慶大SFC研究所は内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム「スマートバイオ産業・農業基盤技術」に参画。今回の実証実験は同プログラムのSFPの社会実装に向けた取り組み募集にクラダシが提案した「こども食堂への安定的食材提供の仕組み作りと実証」が採択されたもの。正式なサービスの開始は23年4月以降を見込む。