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戸建て注文の苦戦 色濃く 主要住宅各社 11月度受注 様子見の顧客増える

 主要住宅各社の11月度受注が出そろった(表参照)。苦戦の色が目立つのは前月に引き続き戸建て注文だ。注文住宅の住宅ローン減税適用(控除期間13年間)の契約期限は9月末で終了している。11月時点では、ローン減税の方針が発表されておらず、契約への後押しに欠ける状況が一部見られた。メーカーからは様子見の顧客が増えたという声が聞かれた。

 戸建て注文を中心に、各社の11月度の受注状況を見てみる。

 住友林業の「戸建注文住宅」は前年同月(単月)比5%減。コロナの影響を排除した19年と比べると8%増。今年7月からZEH比率は70%以上で推移。1棟当たり単価も高水準を維持しており、11月単月の単価は前年同月よりも1割程度高かった。

 旭化成ホームズの「請負住宅(戸建てと集合)」は同12%減。戸建てと集合のいずれもマイナス。戸建てのマイナス幅のほうが大きかったという。

 ミサワホームの「注文住宅」は同3%減。棟数は減少したが、1棟当たり単価は上昇した。「建売分譲住宅」は在庫不足により同4%減。「賃貸住宅」は首都圏を中心に伸長し同27%増。収納空間付きが好調で、1棟当たり単価も上昇した。

 三井ホームの「専用住宅(戸建て)」は同19%減。夏場以降のモデルハウス来場者の減少が響いた。

 パナソニックホームズの「戸建住宅」は同20%減。「分譲住宅」は同13%減。一方、「集合住宅」は同34%増。低層階、多層階共に受注が伸長した。

 棟数ベースで公表している積水化学工業の「住宅受注(戸建てと集合)」は同3%減。戸建て、集合いずれもマイナスとなった。

 一方、注文住宅のローン減税適用終了の影響は感じられないという認識を示すのは積水ハウスと大和ハウス工業だ。分譲住宅のローン減税適用の契約期限は11月末だったが、駆け込み的な動きも見られなかったという。

 積水ハウスの「戸建住宅」は同4%減。前年同月が好調で、前年超えのハードルが高かったのが要因。「賃貸住宅(RC造除く)」は同1%増。ZEH化の訴求力と共に、引き続き3、4階建てがけん引している。「分譲住宅事業」は同6%増となった。

 大和ハウス工業の「戸建住宅」は同33%減、「分譲住宅」は同1%増、「集合住宅」は同18%減。同社は10月から「戸建住宅」と「集合住宅」の未着工案件で契約関係を確認している。11月は新型コロナの影響による顧客サイドの経済環境や職場環境の変化により、建築計画の中止や先送りが一部見られた。