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シェアオフィス本格化 リビタ、5年後10施設目指す 使わない時間、他者に貸し出し

 京王グループのリビタ(東京都目黒区)はこのほど、〝暮らしを自由にする〟をコンセプトとしたシェアオフィスシリーズ「12(ジュウニ)」を本格化すると発表した。18年に東京都新宿区に第1弾を開業。今年9月から10月にかけて、同じく新宿エリアで2カ所、22年度には神田エリアで1カ所開業する。山手線内を中心に26年までに10カ所体制を目指す。

 「12」シリーズの特徴は、キッチンやリビングなど住まいの一部機能をオフィスに持たせていること。開業から3年経つ「12SHINJUKU」では、利用者が仕事の合間にランチを作ったり、休日に家族を連れてリビングスペースで過ごす姿も見られ、自由な使い方が浸透しつつあるという。8月26日に開いた記者発表会で、「12」シリーズ推進リーダーの井上聡子氏は、事業本格化に踏み切る理由について、第1弾施設が高稼働(93%)を維持できていること、コロナ下で働き方に対する考えが変化し、ワークスペースに求められる役割も変化していること、そして特に新宿区内ではこうしたタイプのオフィスの供給が少ないことを挙げた。

 第2弾の「12SHINJUKU3CHOME」の開業を機に、利用者がオフィスを使っていない時間は、会員登録している法人や個人に貸し出せる仕組み「マガリ」を導入する。借りている区画の一部を稼働間仕切りで仕切り、専用アプリを使って貸し出す。それによって得られる使用料は賃料から差し引かれる仕組みで、賃料負担を軽減できる。1カ月間で貸し出せる時間には上限があり、使用料の管理などはリビタが行う。

 「3CHOME」(写真)は9月1日、東京メトロ丸の内線の新宿三丁目駅直結のビルの4階にオープンする。親会社である京王電鉄が所有するビル。プライベートオフィス(全13区画、8~35m2)の月額賃料は22万円台~74万円台。定期借家契約(1~2年)とする。そのほか、利用契約によるプライベートデスク(10区画)やフリーデスク(16席)も備える。