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大言小語 安い日本

 五輪のプレスセンターで出された昼食の弁当の値段が1800円。ネット番組でタレントがこの話をしたときに思わず「高っ!」と感じてしまった。番組でも高いと感じると思う人が多いと述べた上で、プレスセンターにいた外国人記者の反応は「安っ!」だったと、そのタレントは話した。

 ▼東京都心部でも500円でランチが食べられる。だが、他の先進国ではサンドイッチも買えない水準だそうだ。ニューヨークでは、ラーメンが1杯2000円。こう考えると、物価が安く暮らしやすい国にいると思える。

 ▼販売を再開したハルミフラッグの人気が集中するのも、昨年1月から販売価格が変わらず割安感が増していることも要因の一つ。都心臨海部のマンションの人気は上がっており、高額な物件から売れていく。都心マンションの販売価格も上昇基調にある。

 ▼五輪では、様々なことが明らかになったが、日本が安い国になったことを実感させられることになった。賃金が上がらず、長引くデフレが安い日本をつくり上げた。

 ▼安いことは、良いことばかりではない。買いたいものが買えないリスクがあらわになった。海外勢に買い負けたウッドショックもその面があるが、都心部の不動産もそうだ。東京都心の地価は、アジアの他の主要都市と比べて安い。このままでは、都心の一等地のオーナーは外国人ばかりになってしまいそうだ。