政策

省エネ拡大、自然共生地域づくりなど 30年度までの重点6施策 国交省「グリーンチャレンジ」公表

 国土交通省は、国土・都市・地域空間におけるグリーン社会の実現に向けて戦略的に取り組む重点プロジェクトを「国土交通グリーンチャレンジ」としてまとめ、7月6日に公表した。「2050年カーボンニュートラル」や気候危機への対応など、分野横断・官民連携の視点から取り組みを推進する。30年度までの10年間に重点的に取り組む6プロジェクトを掲げる。

 重点プロジェクトは、(1)省エネ・再エネ拡大等につながるスマートで強靭(じん)なくらしとまちづくり、(2)グリーンインフラを活用した自然共生地域づくり、(3)自動車の電動化に対応した交通・物流・インフラシステムの構築、(4)デジタルとグリーンによる持続可能な交通・物流サービスの展開、(5)港湾・海事分野におけるカーボンニュートラルの実現、グリーン化の推進、(6)インフラのライフサイクル全体でのカーボンニュートラル、循環型社会の実現――の6つ。

 特に、エネルギー消費ベースで日本国のCO2総排出量の約3割を占める民生部門等における省エネ、再エネ利用等を推進するため、住宅・建築物の更なる省エネ対策を強化する。具体的には、LCCM住宅・建築物やZEH・ZEB等の普及促進、省エネ改修促進、省エネ性能等の認定・表示制度等の充実・普及、木造建築物の普及拡大などだ。インフラ等における太陽光や下水道バイオマス、小水力発電等の地域再エネの導入・利用拡大を図ると共に、立地適正化計画等に基づく都市のコンパクト化やスマートシティなど、脱炭素と気候変動適応策に配慮したまちづくりへの転換を推進する。

 赤羽一嘉国土交通大臣は7月6日の会見で、気候変動による災害の激甚化・頻発化等への対応として、政府目標である「2050年カーボンニュートラル」実現の必要性を強調。同省として、有識者からなる「グリーン社会ワーキンググループ」で調査審議成果をとりまとめた経緯を説明した上、「同チャレンジを着実に実行するため、新たに『国土交通省グリーン社会実現推進本部』を立ち上げる。関係省庁や産業界との連携をより一層強化しながら、大臣プロジェクトとして先頭に立って取り組む」と述べた。