マンション・開発・経営

全住協セミナー DXテーマにスタジオ配信 「会員の受講機会拡大へ」

 全国住宅産業協会は3月23日、DX(デジタル・トランスフォーメーション)をテーマにした「全住協セミナー」を、メディア事業を手掛けるサイバーエージェントの「カムロ坂スタジオ」(東京都品川区)からリアルタイム配信した。

 同セミナーは、新型コロナウイルスの影響で開催を延期していた新春講演会に代わるもの。同協会がこれまでに実施していたセミナーのオンライン配信システムでは参加人数に上限があったが、今回はそうした制約がなく、北海道から九州まで全国の会員ら約200人が視聴した。同協会副会長の花沢仁氏は、「オンラインセミナーにすることで、場所の制約がなくなり、全国の会員に一斉に同じ情報を提供できる。協会で実施している研修会などにも活用できれば会員の受講機会が広がる」と話した。

 サイバーエージェントは、国内に数台しかないバーチャル撮影システムを中心とした先端技術を使ったオンラインイベントを数多く手掛けている。今回のセミナーでは、サイバーエージェントでデジタル技術を活用した広告制作やイベントなどを手掛ける佐々木克典氏と芦田直毅氏、桐島ローランド氏が登壇し、花沢氏の進行の下、バーチャル技術を活用したオンラインイベントの事例や不動産業界にもたらす効果などを語った。登壇者をスタジオのグリーンバックと呼ばれる緑色の背景の前で撮影し、そこに動画や映像を合成してリアルタイムで配信した。

 その中で桐島氏は、数年前に自身が住宅を建てる際に、事前にCGで室内を制作した経験を紹介。実際の映像を見せながら、「スケール感を把握しやすく、素材なども事前に確認でき、非常に有効だった。こうした技術が不動産業界で有効活用できればもっと市場が盛り上がるのではないか」と今後の可能性に期待を寄せた。

 セミナーの後半には、同協会の小尾一総務委員長が、専用ゴーグルを着けてバーチャルリアリティ(仮想現実)を体験した。