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大言小語 スポンサーが代わると

 自分が子供だった時の話だ。山猿だった自分たち兄弟は、週末の土日に外から遊んで帰ると、まずテレビをつけて食卓を囲んだ。父親が仕事で不在がちのために家族団らんとまでいかないが、学校や友達のことなど、母親を交えて会話を楽しんだものだ。

 ▼現在、若者だけでなく、高齢者の単身世帯も増え続ける傾向にある。この時代の変化に合わせるかのように、自分もいまだ独り身である。今も仕事から帰宅すると、まずテレビをつける点では子供時代と同じだが、誰と話すこともなく、ただいつも黙って画面を見つめている。

 ▼世間的に見ると今の世の中は、テレビ視聴が少なくなり、家族と一緒にひとつ屋根の下で過ごしていても、それぞれがインターネットを通じ、映画やアニメ、音楽などの様々なコンテンツを楽しむ姿が見られる。しかし、今も変らずテレビで高い視聴率を維持しているのが、日曜恒例の「サザエさん」だ。

 ▼先日、単独スポンサーの東芝が降板し、大和ハウス工業やアマゾン、西松屋チェーンが新しいスポンサーになるとの報道があった。まさか、サザエさんの家族までが個々にネット通販やビデオ視聴する場面は描かれないと思うが、イメージが壊されそうで心配だ。時代は変ろうとも、いつまでも温かい家族の姿を描いてほしい。暮らしや住まいの大切さを語る大和ハウス工業なら、分かってくれるだろう。