政策

大言小語 熱中症の危険

 暑い日が続く。外回りの仕事には、こたえる季節だ。就職活動中の学生たちがスーツの上着を着て街中を歩く姿は、見ているこちらも暑くなる。デスクワークの室内ならば、クーラーが効いて快適に過ごせて気持ちがいい。

 ▼しかし、その室内でも、熱中症には注意が必要だ。特に高齢者は死亡者も発生している。それは比較的に室温の下がる夜間でも起こっている。全国の熱中症による死亡者数は、8月をピークに年間1000人近いが、その8割は65歳以上だという。

 ▼高齢者が熱中症になりやすいのは、体温調節機能の低下から温度感覚が鈍る点にある。暑さやのどの渇きを感じにくく、身体の中の水分量が若者に比べて低いことから脱水状態に陥りやすい。身体に熱がたまりやすいこともある。

 ▼熱中症の予防には、こまめな水分補給のほか、扇風機やクーラーを上手に使い、涼しい服装で過ごす、すだれやカーテンなどで直射日光を避けるなどの方法がある。

 ▼マンション管理では高齢者の孤独死が一つの問題となっている。私事だが一人暮らしだった父も、この暑い季節に脱水状態で亡くなっていた。昔気質のために、ぜいたくを嫌ってクーラーを設置せず、遠く離れて住んでいたことから発見が遅れた。この季節、親族だけでなく、ヘルパーや近隣の人たちも、一人暮らしの高齢者に気を使い、積極的な声掛けをお願いしたいものだ。