政策

大言小語 震災の教訓

 未使用のまま2年間の賞味期限を迎えようとしているミネラルウォーターが我が家には約50リットルある。賞味期限が来るのは今回で3回目。あの日から6年が経過した。2リットル6本入りの箱は様々な防災訓練に参加する度、2箱から3箱、4箱に増えた。入れ替えのため日常的に利用しているが、なかなかなくならない。

 ▼3月11日を前に、ビルやマンションのあちこちで防災訓練が行われている。以前、防災を意識するのは関東大震災の発生日でもあり、「防災の日」に制定されている9月1日だった。ここ数年で3月に防災を意識することが増えている。

 ▼6年前、幸い我が家は大きな被害を受けることはなかった。しかし、液状化被害の大きかった千葉県浦安市に住む親戚は大きな被害を受けた。断水に加え、品切れが続いたミネラルウォーターの代わりに水道水をペットボトルに入れて何度も運んだ記憶がよみがえる。

 ▼震災前と比べると、水や食料だけではなく、使い捨てのトイレなど様々な備品も備蓄するようになった。震災の教訓を生かしている。一方で、6年経過しても故郷に帰還できない人が多いだけではなく、被災地の子供のいじめが問題になっている。信じられないことであり、許し難い。様々な意味で復興はまだまだ道半ば。年々震災の記憶が薄れつつあるが、今後も忘れずに教訓を生かしていきたい。