総合

大言小語 住宅は家族づくり

 今年も各地で新年会が開かれているが、来年4月に迫ってきた消費税10%への再増税の影響については危機感を抱く業界トップの厳しい発言が目立つ。請負契約となる住宅建築については、今年10月以降が増税の対象となり、今年10月以降の反動減はもはや避けられないというのが大方の見方になってきた。

 ▼反動減の程度については、多少見解が異なる。前回並みに着工が大幅に落ち込むとする意見がある一方、前回の増税で一定規模の駆け込みが既に発生していることや国の支援を材料に、比較的軽度にとどまるのではないかという意見も見られる。

 ▼いずれにしても住宅を新築した場合の消費税の負担は、生活者に重くのしかかることは必至だ。以後、重税を覚悟の上で住宅を建築しようという意欲がどれだけ生活者の間でわき上がってくるのか、例え一国一城の主になれたとしても果たして長い間にわたって幸せな生活が実現されるのだろうか、非常に心配されるところだ。

 ▼個人が住宅を建てることは、多くの場合が家族のため。いつの時代も住宅は生活と家族の基盤であって、それは家族の絆そのものを意味する。三世代同居や近居が増えているのも、家族の絆を強めたいという願いであり、昨今の生活スタイルに表れている。家族づくりの願いを余所に、住宅取得は多難の時代に入ってしまった。