住まい・暮らし・文化

大言小語 白鵬、理想の家語る

 住友林業は住むことの意味を、より深く追求した高級住宅を、来年1月に発売する。コンセプトは「風情」。 

 ▼その〝邸宅設計プロジェクト〟に参加したインテリアデザイナーの橋本夕紀夫氏は風情について、「それは情景であり、人の心でもある」と言う。また、プレス発表会にゲストとして登場した横綱白鵬(同社のTVCMに出演中)は自らが理想とする家の3条件を挙げた。(1)平屋、(2)木を感じる内観、(3)四季・自然を感じる家。さすが横綱は、何にでも明確な理想を持っている。

 ▼いい家は心が澄んでくる。だから、「住む」の本来の意味は「澄む」ではないかとも考える。住宅が専門の某建築家は「理想の住まいとは、住む人を成長させる家」だと言う。自分と向き合うことができる静寂、心をいやしてくれる自然、理想に立ち向かう勇気がわいてくる佇まい(情景)。まさに、風情である。

 ▼理想の居酒屋も同じであろう。今日一日の仕事ぶりを振り返り、心をなだめ、明日に夢を馳せることができずして、何のための居酒屋か。周りの客の迷惑もかえりみず、バカ騒ぎをする連中がいるような店は論外である。

 ▼店の主人がなすべきは、その日の客の「風情」を知り、一人ひとりに向けたサービスをすることである。そうしたマニュアルにはない応対「おもてなし」を受けると、客は「気が澄む」のである。