政策

大言小語 宅建合格率、福井が最高

 例年12月は宅建試験の合格発表があり、今年も4日に合格者と試験結果の概要が発表された。合格率は15.3%で、前年を1.4ポイント下回る難しい試験だったことがうかがえる結果となった。

 ▼合格発表の当日、首都圏近県のある業界関係者との間で、宅建試験の合格率の話題になった。47都道府県別の合格率で、当該県が11.8%とワースト記録だったことに加えて、今年に限らず例年、低位に甘んじているそうで、なんとかこの状況を打開しなければとの思いを募らせていたらしい。

 ▼都道府県別の合格率を見ると、全国平均の15.3%以上だったのは、1都1府13県あり、このうち最も高かったのが福井県の20.0%。17.2%だった東京を含めて首都圏は全てが全国平均以上だった。地域によってなぜ合格率に1割近くも開きがあるのかは謎だが、ワースト県の人の言葉を借りれば、「受験産業が根付かない」ことが背景にあるのではないかと教えてくれた。また別の地元住民に聞いたところでは、書店の数も極めて少ない土地柄だとも指摘する。

 ▼どうやら地元の肌感覚からすると、資格学校や書店といった受験学習につきもののインフラが弱いところに、合格率の低い理由がありそうだとの結論めいた話にたどり着いた。主任者の数は不動産業のバロメーターそのものであり、次年度は汚名返上に期待したい。