政策

大言小語 第三の対立軸

 境界を接する隣地で夏前から戸建ての新築工事が始まった。窓越しに眺められるので、工事の工程が手に取るようで楽しく見学させてもらっている。現在は躯体がちょうど立ち上がったところで、玄関や水回りのレイアウト、柱、開口部の位置からどのような間取り、どんな家ができるのか推測するのもまた楽しさがある。

 ▼建設工事につきものといえば苦情やクレームだ。これには施主と施工者、時には施工者と近隣という2つの対立軸がある。このところ基礎がやけに高いとか日当たりは大丈夫か、工事車両が狭い道をふさいでいたといった、クレームとも冷やかしともとれる話題で隣近所も騒がしくなってきた。事前に施主側もしっかりと近隣にあいさつと説明をしているにもかかわらずだ。

 ▼躯体が立ち上がり、大きな施工シートが境界すれすれまで張り巡らされた。そのため我が家の部屋の中が心持ち薄暗くなった、風に飛ばされた木くずが洗濯物にくっついていたとか、家内もこのところ何かと小言が多くなってきた。隣の芝生ではないが、まじまじと注文住宅の新築工事を見せつけられれば、築15年しか経っていなくても、我が家にも「建て替え」の火種がいつ何時くすぶり出してもおかしくはない。あらぬ方向に話が向かないように小言にもいちいち受け答えしているが、完成が近付くにつれて、第三の対立軸が深まりそうだ。