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大言小語 持ち家離れ

 若い人たちの持ち家離れが話題に上がることが多い。名だたる住宅メーカーやデベロッパーの社員でさえも、持ち家適齢期にある30代、40代が賃貸住宅に住んでいるケースが増えているというのだ。各社の幹部は、住宅を売る会社としてはゆゆしき事態ととらえているが、所詮、住まいを買う買わないはプライベートな世界。例え給料の高い上場会社といえども、そこまで深入りすることはできない。  ▼住宅会社でさえも、自社の社員に住宅を買うことのメリットを伝えきれていないのだから、一般の客に対してはなおさらのことだろう。そんな考えを持つ若い人たちに、なぜ賃貸暮らしがいいのかを聞いてみる。するとほとんどが、いずれ親の住宅を取得することになるのだからローンを組んでまで住宅を買う必要はないと考えていることが多いようだ。また賃貸住宅に入居する社員は住宅手当が多くもらえることも関係しているらしい。確かに持ち家がいくつもあっては困ることのほうが多いかもしれない。税金も余計に払わなければならなくなる。損得勘定で見れば、答えは明らかだ。

 ▼ただ住宅には生活の基盤という役割以外にも意味がある。例えば、お金に困った時などには、住宅を処分してお金を工面するなどは昔も今も変わらない。実需も兼ねて、半分貯金代わりに住宅を買うこともあるだろう。住宅を持つことの意味を今一度考えてみるべきだ。