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簡易空調器で高気密、特許取得

 空気を送りだす小型コンプレッサーを家の中に設置するだけで、実質的に高気密住宅を実現させる方法が発明され、このほど特許を取得した。
 発明したのは東京都江戸川区葛西在住の恩田銀二郎氏で、その名も「環境くん」(商標登録済み)。原理は極めて簡単で、コンプレッサーを使い家の中の空気圧を、家の外よりもほんの少し高く設定するだけ。これで、どんな細部からの隙間風も防止でき、夏はクーラーの、冬は暖房機の効率を2~3割アップできるというもの。
 恩田氏による説明はこうだ。家の中は太陽熱で常に上昇気流が発生していて、それが屋根裏などから外部に流出している。そのため、その分が隙間を通して家の中に流入してくる。だから、冬は暖房機で暖めても外部の冷たい空気が侵入してくる。夏は1階でクーラーをかけても、2階が外気温で温まり上昇気流が発生、同様に外の暑い空気を引きこむことになる。こうした状況を防ぐには、家の中の空気をほんの少しだけ外部より高めれば、外部と断絶した高気密状態を維持できるという。
 「我が家で実験済みだが、夏の就寝時にクーラーを切っても外部からの空気が入ってこないため、朝まで室内はひんやりしている」(恩田氏)という。
 この原理を利用すれば、あえて高気密高断熱住宅にしなくても、ほぼ同様の効果が実現できるという。しかも、そのためのコストはコンプレッサーの取得費(1台5000円程度)と、電気代(月間50円程度の予定)のみとなる。
 現在、実用化に向けた準備が進められているが、普及すると住宅業界に一石を投じる可能性がある。