[東証職員に聞く] よく分かる不動産証券化とビジネス活用

「住宅新報」紙面で人気の連載、「よく分かる不動産証券化とビジネス活用」。
そのなかから、東証の職員の方にインタビューした回をピックアップしてお届けします(全4回)。

東京証券取引所・上場部アセットファイナンス担当として東証REIT市場を担当する横田雅之課長に、Jリート市場の最近の動向、東証の果たしている役割、今後の課題などについてお話をうかがいます。シンクタンク、投資銀行などでの経験や不動産鑑定士、一級建築士などの資格も有することから、幅広い視野と高い専門性を活かして、Jリート各社へ開示等のアドバイスをされる共に、普及活動に取り組んでおられます。

※ これは本紙「住宅新報」で掲載しております、「不動産証券化とビジネス活用」の「有識者に聞く」シリーズ第32回から全4回、横田氏へのインタビュー記事紹介させていただいているものです。(2010/6/22〜7/13)

掲載記事一覧 (全4回)

  • 不動産証券化の現状と将来展望 有識者に聞く [第111回]  (10.6.22 本紙掲載)

    ■ 海外向け工法にも力注ぐ外国人のリート投資需要に対応
    (田辺)最初に、東証上場部の主な業務内容についてご教示ください。
    (横田氏)東証上場部の業務内容は大きく2つに分けることができます。一つは、企業が上場するまでの準備期間において、上場基準に照らして要件を満たしているか否か等、企業からの様々な相談に応じることです。もう一つは、上場後に企業に対して適切なディスクロージャー(開示)を促すとともに、上場基準の遵守状況を管理することです。(続きを読む)

  • 不動産証券化の現状と将来展望 有識者に聞く [第112回] (10.6.29本紙掲載)

    ■ 投資市場は回復基調迅速な政策対応に一定の効果
    (田辺)これまでのJ-リート市場の推移を振り返ってみたいと思います。J-リート市場は一昨年の金融危機までは、基本的には順調に成長してきました。
    (横田氏)J-リート市場が創設されたのは、2001年9月10日ですが、その翌日に米国の同時多発テロ(9・11)が発生し、厳しい船出を余儀なくされました。 このときは、多くの方々が心配したのも事実ですが、その後は日本景気の底入れ・回復や世界的な資産運用ニーズの拡大などにも後押しされて、2007年前半までは、市場はまずは順調に成長してきたと言えるでしょう。(続きを読む)

  • 不動産証券化の現状と将来展望 有識者に聞く [第113回] (10.7.6 本紙掲載)

    ■ リートが公募増資を再開不動産取得額は早くも昨年超える
    (田辺)改めて振り返ってみると、確かにJ-リート市場の拡大期も、金融危機に際しても、数多くの政策対応や制度面の対応が図られてきたことが分かります。その意味では、J-リート市場は創設から10年前後の経験を積み、様々な課題に対応する中で、市場整備が進み成熟してきたと言えるかもしれませんね。(続きを読む)

  • 不動産証券化の現状と将来展望 有識者に聞く [第114回] (10.7.13 本紙掲載)

    ■ 安定性高いリート投資課題はレバレッジコントロール
    (田辺)個人投資家の投資促進には、どのような点に留意すべきでしょうか。
    (横田氏)短期的なキャピタルゲインを追求する個人投資家がいるのも事実ですが、一方でリートが運用する賃貸用不動産の収益の安定性、分配金の安定性を認識すれば、その特性を理解し、長期的なインカムゲインを投資目的とされる方々も、まだまだ数多くいると思います。従って、そうした投資家を開拓することが必要ですし、そのためには、商品性をきちんと訴求する広報活動をしていくことが求められるのではないでしょうか。(続きを読む)