決算

住宅大手・24年3月期決算 2社が増収、増益は1社 海外が拡大、リフォームも伸長

 大手住宅メーカー・ビルダーの24年3月期決算が出そろった。大和ハウス工業、旭化成ホームズの2社が3期連続で過去最高の売上高を計上した。増益は旭化成ホームズの1社にとどまったものの、大和ハウス工業は退職給付に関する割引率見直しに伴う数理差異の影響を除くと、営業利益・当期純利益とも過去最高を計上した。積水化学工業住宅カンパニーは減収減益だったものの、第3四半期時点(24年1月)の業績見通しは売上高・営業利益とも上回り着地した。

 大和ハウス工業の住宅事業は、戸建て住宅が売上高9510億円(前年同期比8.5%増)、営業利益351億円(同24.5%減)、賃貸住宅事業が売上高1兆2502億円(同5.7%増)、営業利益1157億円(同5.5%増)、マンション事業が売上高4418億円(同8.8%減)、営業利益373億円(同8.6%減)。戸建て住宅は、海外事業が売上高4967億円(同15.5%増)、営業利益は315億円(同14.3%減)だった。

 旭化成ホームズは、22年11月に買収した北米・フォーカス社や23年2月に買収した豪州・アーデン社が連結対象となるなど、海外事業部門が伸長したほか、不動産部門が売上高・営業利益とも過去最高を計上。リフォーム部門も太陽光発電、蓄電池などの設備工事が大きく伸び、増収増益で着地した。主力の建築請負部門は減収減益だったが、大型化・高付加価値化戦略が浸透。下期の受注金額は前年比を上回り推移した。

 積水化学工業住宅カンパニーは、上期の受注減が業績に影響したものの、棟数減の影響は、棟単価の上昇で相殺。住宅事業の収益性強化策は計画通りに進ちょくした。リフォーム事業も伸長。まちづくり事業は、売上高が前年をわずかに下回ったものの、新規プロジェクトの仕込みは順調に推移した。

飯田GHDは減収減益

戸建ては利益率減も増収

 ビルダー最大手の飯田グループホールディングスは、売上高はほぼ横ばいで着地。営業利益率は4.1%(前期比3.0ポイント低下)だった。セグメント別では6社グループ中4社が増収した。

 主力の戸建て分譲事業は売上収益1兆2174億4500万円(前期比0.5%増)、売上総利益1481億2400万円(同24.2%減)の増収減益。販売棟数は4万493棟(同0.8%減)、平均価格は3006万円(同1.3%増)だったが、売上総利益率は12.2%(同4.0ポイント低下)にとどまった。

 マンション分譲事業は、売上収益735億2000万円(前期比14.7%減)、売上総利益155億9800万円(同13.4%減)の減収減益。販売戸数は1740戸(前期比29.1%減)にとどまった。一方、平均販売価格は3964万円(同1.7%増)、売上総利益は21.2%(同0.3ポイント上昇)だった。

 注文住宅などの請負工事事業は売上収益758億4400万円(同3.3%増)、売上総利益191億6100万円(同21.8%)の増収増益で着地した。注文住宅の引き渡し棟数は2587棟(同14.8%減)にとどまったものの、平均価格は2041万円(同3.6%増)だった。

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