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大言小語 千載一遇の機会

 昨年1年間の訪日外客数は2500万人を突破して、インバウンドは著しい急回復を見せた。観光業や航空会社も急な展開に準備不足や人手不足で対応に追われたところが目立った。

 ▼4月に水際措置が撤廃されて以降、月を追う毎に右肩上がりで来日客が急増したため、12カ月通しとなる今年は過去最高となった19年の3188万人を越える可能性が高い。中国人の爆買いこそ鳴りを潜めたものの、国内の物価上昇も円安効果で相殺されて外国人の消費意欲も旺盛だ。

 ▼しかし内訳をみると各国、それぞれ事情が異なる訪日外客数トップの韓国は、日韓関係の改善で19年比24.5%増となる約700万人に迫る勢いだ。対照的なのは中国で、同74.7%減の242万人にとどまっている。国内景気の悪化やそれにより海外旅行を控える傾向があるほか、団体ツアーからプライべー旅行に需要がシフトしていることなども要因だろう。

 ▼これから国内ではお花見シーズンや夏休みシーズンなどが続き全国的なインバンドの一層の盛り上がりが期待されるというのに、要の国会は政治資金、裏金問題で混迷状態。よりによって確定申告の時期に、裏金の課税、非課税が議論されるお粗末な展開となっている。それこそ政治が火の玉、けん引役になってインバウンド需要を大きく押し上げいく大事な時であるにも関わらずだ。千載一遇の機会は逃さないでもらいたい。