総合

大言小語 女性専用車両

 平日朝の通勤ラッシュもだいぶ復活してきた。テレワークが普及しているものの、原則として出勤を求める企業も増えている。IT系ベンチャー企業は、人に会うことでイノベーションが生まれるという意識から、むしろ出勤を奨励している。

 ▼朝のラッシュ時と言えば、女性専用車両の存在の復活があるだろう。コロナの時期は、通勤時間帯のラッシュはほとんどなかった。出勤が増えたことで、新たに女性専用車両を導入した地下鉄の路線もある。

 ▼朝のラッシュの復活と共に目立つようになったのは、大きなスーツケースを持って電車に乗る人達だ。一見すると分からないが、中国や東南アジアからの観光客なのだろう。朝のラッシュの時間帯でも大きな荷物を持って電車に乗り込む人を頻繁に目にする。

 ▼朝のラッシュの中、少しでもすいている車両を見つけて乗り込む人も多く、女性専用車両に外国人観光客の男性が乗り込む姿が見られる。見かけは日本人と変わらないが、車内の女性が無言でにらんでも、彼らが空気を読むことはない。

 ▼女性専用車両は、女性しか乗らないという日本社会のコンセンサスで成り立つのだが、外国人には残念ながら通じない。インバウンドが復活し、大量の外国人が日本へ来るようになった。日本社会のコンセンサスを前提としているものは、これから運用が難しくなるのではないだろうか。