マンション・開発・経営 決算

森ビル、22年度は増収増益 高級住宅分譲が堅調

 森ビルは5月23日、2023年3月期連結業績(非上場)を公表した。売上高に当たる営業収益は過去最高となり、増収増益。高級レジデンス「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」の賃貸や分譲が進んだことなどが主な要因。海外は中国のロックダウンの影響を受けて減収となったが、「今期に入り、制限がなくなり回復している」(小坂雄一執行役員)と言う。24年3月期は「虎ノ門ヒルズステーションタワー」、「麻布台ヒルズ」が稼働することで営業収益、各利益共に「過去最高を更新する見通し」(同)とした。

麻布台ヒルズの予定分譲完売

 今秋開業予定の「麻布台ヒルズ」は、最高級レジデンス「アマンレジデンス東京」など約1400戸、約3500人の居住者を見込んでいる。24年3月期に計上される住宅分譲については、販売予定の戸数は完売状態で、8~9割が日本人による購入と言う。コロナによる渡航制限がなくなり、今後は外国人が購入すると見られる。

 オフィスのリーシング状況は、「虎ノ門ヒルズステーションタワー」、「麻布台ヒルズ」が共に立地や設備、環境対応などが入居を検討する企業から高く評価されているとし、オフィス需要の堅調さを強調した。

 23年3月期のセグメント別の営業利益では、オフィスや住宅などの賃貸事業が約4%増、分譲が約20%増、ホテルなどの施設営業はコロナの制限緩和で黒字転換(10億円)、海外が約12%減。24年3月期については、麻布台ヒルズなどの開業コストがかさみ賃貸がほぼ横ばい、分譲は約3割の大幅増、施設営業が約30億円、海外がおおむね横ばいと見込んでいる。

森ビル

決 算 23年3月

営業収益 2,855億円 (16.4%)

営業利益 628億円 (19.1%)

経常利益 599億円 (11.5%)

当期利益 437億円 (3.6%)

予 想 24年3月

営業収益 3,530億円 (23.6%)

営業利益 755億円 (20.2%)

経常利益 650億円 (8.4%)

当期利益 470億円 (7.4%)