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東京カンテイ 中古マンション(21年下期) 首都圏、価格上昇に拍車 都心は500万円以上も

 東京カンテイは3月1日、21年下半期(21年7~12月)の「中古マンション相場価格推移」を発表した。各エリアのトレンドを把握するため「築10~15年」「最寄り駅から15分以内」の物件を対象に集計した。

 それによると、首都圏の相場価格(坪単価)は284.7万円(前期比8.2%増)で18期連続の上昇となった。新型コロナウイルスが流行し始めた20年までは前期比が1~2%台で推移していたものの、21年には上期・下期共に大幅上昇となった。

 東京都(340.6万円、前期比7.3%増)をはじめ、神奈川県(221.1万円、同6.4%増)や埼玉県(172.2万円、同6.4%増)にも上昇拡大の動きが波及し、千葉県(156.2万円、同3.7%増)でも上昇トレンドが続いた。

 東京都の主要エリアを見ると、東京23区は360.7万円(同6.7%増)で、3期連続で上昇率が拡大した。都心(496.1万円、同6.7%増)や城南・城西(364.8万円、同7.9%増)、城北・城東(275.9万円、同60%増)で、いずれも前期の上昇率を上回った。都心は、コロナ前の19年と比べて約80万円アップした。

 行政区別の推移を見ると、都心部に位置する港区(628.1万円)をはじめ、渋谷区(569.6万円)や千代田区(512.5万円)も500万円台以上の高水準だった。前期比の上昇率では港区が9.9%で最も高く、そのほかにも文京区や品川区、大田区、世田谷区、中野区で東京23区の平均を上回っていた。

近畿、上昇度合い強まる

 近畿圏の相場価格は、192.4万円(同4.6%増)だった。10年以上続いている上昇基調の度合いがこの1年で更に強まる結果となった。大阪府(191.3万円、4.5%増)、兵庫県(186.1万円、同4.5%増)、京都府(238.8万円、同4.2%増)はいずれも4%以上の高水準。滋賀県(144.6万円、1.6%増)や奈良県(120.3万円、同2.5%増)も3期連続のプラスとなった。一方、和歌山県は前期から横ばいにとどまり、19年以降続いていた上昇傾向は一服した。

中部は18期連続アップ

 中部圏の相場価格は150.7万円(同5.1%増)で18期連続の上昇となった。20年下期には上昇が鈍化する場面も見られたが、21年は上期・下期共に5%台の高い上昇率を維持した。岐阜県や三重県でも引き続き上昇した一方で、静岡県では前期に二桁プラスとなった静岡市が反動で大きく下落した影響から、県平均は7期ぶりのマイナスとなった。