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〝木造都市〟目指す シリーズ・SDGs実現に挑む シェルター・目標13、25など

 都市に森をつくる――。木構造メーカーのシェルター(山形市)は、大規模木造建築を得意とする会社だ。木は空気中の炭素を固定・貯蔵する特性を持つ。積極的に活用することで化石燃料の使用量を抑え、二酸化炭素排出削減に寄与するとして注目を集めている。

 「最先端の技術によって都市部に大規模・高層の木造建築をつくる〝都市(まち)に森をつくる〟活動を行い、人と環境に優しい木造都市づくりに挑戦する」をコンセプトに掲げ、SDGsの達成に取り組む。中でも、目標13(気候変動に具体的な対策を)や25(陸の豊かさも守ろう)、17(パートナーシップで目標を達成しよう)など6つのゴールを重点目標に位置付ける。

 同社は74年の創業以来、接合金物工法「KES構法」や木質耐火部材「クールウッド」、曲線・ひねり部材「フリーウッド」など独自技術を開発し、大規模木造建築のほか高層の木造ビルなど多様なプロジェクトに挑戦している。例えば、近年では宮城県仙台市に純木造7階建てビル「高惣木工ビル」(延べ床面積1131m2)を完成させた。国内では初めて、集成材ではなく一般流通材である製材を主要構造部に使用した大規模木造だという。店舗やオフィスなどが入るビルだ。

 同物件は今秋、木材利用優良施設コンクール(主催・木材利用推進中央協議会)で、農林水産大臣賞を受賞した。