資格・実務

2021 賃貸不動産経営管理士試験模擬問題(9)

問題

【問 41】 飲料水の給水方式に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1増圧直結給水方式とは、水道本管から引き込んだ水を直接ポンプで加圧し、各住戸に給水する方式である。

2 ポンプ直送方式には、ポンプの台数制御を行う定速ポンプ方式と回転数制御を行う変速ポンプ方式があるが、最近のマンションは、定速ポンプ方式が多い。

3 高置水槽方式は、水道本管の断水の場合には、他の方式に比べて最も水の使用ができなくなる。

4 水道本管から引き込んだ水をポンプで加圧し、圧カタンクに貯水した後、タンクから各住戸に給水する方式をポンプ直送方式という。

【問 42】 保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 地震、噴火又はこれらによる津波を原因とする建物や家財の損害を補償するものは地震保険と呼ばれ、地震保険のみ単独で加入することができる。

2 保険商品の分類には、保険業法上、「第一分野」「第二分野」「第三分野」という分類方法があり、不動産経営に重要な損害保険は、第一分野に該当する。

3 すまいの保険(以前の住宅火災保険・住宅総合保険)は、火災・落雷・風災・ひょう災等による住宅や家財の損害の全部又は一部を補償の対象とするものである。

4 賃貸不動産の建物所有者が火災保険に加入する場合、主契約である火災保険の保険金額の8割以内の範囲で地震保険にも加入しておくことが一般的である。

【問 43】 「相続時精算課税の特例」及び「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の特例」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 相続時精算課税の特例の適用を受けた贈与財産の合計額が2500万円以内であれば、贈与時には贈与税は課されないが、相続時には一律20%の税率で相続税が課される。

2 住宅取得のための資金の贈与を受けた者について、その年の所得税法に定める合計所得金額が2000万円を超えている場合でも、相続時精算課税の特例の適用を受けることができる。

3 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の特例は、直系尊属から住宅用の家屋の贈与を受けた場合でも、この特例の適用を受けることができる。

4 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の特例は、受贈者について、住宅取得等資金の贈与を受けた年の所得税法に定める合計所得金額が2000万円を超える場合でも、この特例の適用を受けることができる。

【問 44】 青色申告制度に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 不動産所得が発生する者が、新たに青色申告をしようとする場合には、原則として、その年の3月15日までに、青色申告承認申請書を提出しなければならない。

2 青色事業専従者として給与の支払を受ける場合であっても、控除対象配偶者や扶養親族にはなることができる。

3 不動産所得を生ずべき事業を営んでいる青色申告者で、一定の要件を満たせば、最高55万円(電子申告要件等の一定の要件を満たせば65万円)の青色申告特別控除を受けることができる。

4 事業の廃止などにより青色申告書による所得税の申告を取りやめる場合は、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

【問 45】 不動産証券化とプロパティマネジメントに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 DCF法の収益費用項目のうち、運営費用の中には、対象不動産の管理業務に係る経費となるPMフィーが含まれている。

2 プロパティマネジメントは、投資家から委託を受けて、投資家のために行われる業務であり、プロパティマネジメントの業務のうち、調査・提案業務においては、投資家の投資判断に資することが求められる。

3 プロパティマネジメントは、投資を決定・実行し、借主管理、建物管理、会計処理等について、アセットマネジメント会社からの報告を受けて投資の状況を把握する業務である。

4 プロパティマネジメントの業務に取り入れられはじめているコンストラクションマネジメント(CM)とは、投資物件の中・長期的な改修・修繕の計画を策定して実施する業務である。

 

正解と解説

【問 41】 正 解 1

1 正しく、正解。増圧直結方式(水道直結増圧方式)とは、水道本管から分岐して引き込んだ水を、直接、増圧給水ポンプ(増圧給水設備ともいう)を通じて各住戸に給水する方式である。この方式は、受水槽、圧力タンク、高置水槽等の水槽が不要なため、場所を取らない。

2 誤り。ポンプの台数制御を行う定速ポンプ方式とは、例えば、ポンプを2台設置し、水の使用料が多いときは2台で運転し、少ないときは1台で運転するという方式。近年は、変速ポンプ方式が多い。

3 誤り。高置水槽方式は、断水時でも受水槽と高置水槽の水が使用できるので、断水の場合、他の方式より水が使用できる。

4 誤り。本肢の記述は、圧力タンク方式である。水道本管から分岐して引き込んだ水を一度受水槽に貯水し、その後加圧ポンプで加圧した水を各住戸に給水する方式である。この方式は、圧力タンク、高置水槽が不要である。

【問 42】 正 解 3

1 不適切。地震保険は、火災保険と一緒に加入しなければならない。

2 不適切。保険商品の分類には、保険業法上、「第一分野」「第二分野」「第三分野」という分類方法がある。第一分野は生命保険、第二分野は損害保険、第三分野は傷害・医療保険である。

3 最も適切で、正解。すまいの保険は、火災・落雷・破裂・爆発、風災・雹(ひょう)災、雪災による住宅や家財の損害の全部又は一部を補償の対象とするものである。すまいの保険は、以前の住宅火災保険、住宅総合保険といわれていた保険であるが、現在は新規加入の取扱いはなくなり、既契約のみが残っている。

4 不適切。地震保険の保険金額は、主契約である火災保険の保険金額の3割~5割以内の範囲で加入するのが一般的である。

【問 43】 正 解 2

1 誤り。贈与財産の合計額が2500万円以内であれば、贈与時には、贈与税は課されない。しかし、相続時に課される相続税の税率は、相続財産の額によって異なるので「一律20%の税率」とするのは誤りである。

2 正しく、正解。相続時精算課税の特例の適用を受けるに当たり、所得による制限はない。

3 誤り。直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の特例が適用されるのは、「住宅取得等資金の贈与」に限られ、住宅用家屋そのものの贈与は適用がない。

4 誤り。この制度の適用を受けることができるのは、贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であって、その年の合計所得金額が2000万円以下(新築等をする住宅用の家屋の床面積が40m2以上50m2未満の場合は、1000万円以下)の者である。

【問 44】 正 解 2

1 正しい。不動産所得が発生する者が、新たに青色申告をしようとする場合には、原則として、その年の3月15日までに、所轄税務署長に青色申告承認申請書を提出しなければならない。なお、その年の1月16日以後に事業を開始した場合は、事業開始から2カ月以内に所轄税務署長に申告すればよい。

2 誤りで、正解。青色事業専従者として給与の支払を受ける者は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれない。

3 正しい。不動産所得を生ずべき事業を営んでいる青色申告者で、正規の簿記の原則により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付して法定申告期限内に提出している場合には、原則としてこれらの所得を通じて最高55万円(電子申告要件等の一定の要件を満たせば65万円)を控除することとされている。

4 正しい。事業の廃止などにより青色申告書による所得税の申告を取りやめる場合は、取りやめようとする年の翌年3月15日までに「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

【問 45】 正 解 3

1 適切。DCF法による収益費用項目が公表されており、運営費用として、維持管理費、水道光熱費、修繕費、PMフィー等の項目が定められている。

2 適切。プロパティマネジメントは、投資家から委託を受けて、投資家のために行われる業務であり、プロパティマネジメントの業務のうち、投資家のために重要性の高まる業務は、(1)報告義務、(2)調査・提案業務、(3)所有者の変更に伴う業務である。特に(2)においては、投資家の投資判断に資することが求められる。

3 最も不適切で、正解。アセットマネジメントは、投資を決定・実行し、借主管理、建物管理、会計処理等について、プロパティマネジメント会社からの報告を受けて投資の状況を把握する業務である。

4 適切。中・長期的な改修・修繕の計画を策定して実施する業務をコンストラクションマネジメント(CM)という。近年、プロパティマネジメントの業務には、コンストラクションマネジメントも取り入れられはじめている。