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戸建・賃貸住宅がけん引 積水ハウス 22年1月期中間 過去最高の売上高

 積水ハウスの22年1月期第2四半期決算は増収増益となった。売上高は前年同期比4.8%増の1兆2236億円となり、第2四半期では過去最高を記録した。戸建・賃貸住宅事業がけん引した。同社は通期計画を上方修正し、売上高、利益共に過去最高を目指す。

 9月10日のオンライン会見で、戸建・賃貸住宅事業の受注について、仲井嘉浩社長は「18年よりも上振れているので、回復したと考えている。コロナの影響はまだ安心できない状況だが、お客様とのITの技術を使った折衝の仕方などコロナ下における営業スタイルが確立し、緊急事態宣言下でもうまく対応できる状況になってきたのでは」と説明した。

 戸建住宅事業の売上高は前年同期比6.1%増の1671億円。コロナ以前から取り組んでいる大空間リビング「ファミリースイート」によるライフスタイル提案が奏功。「ファミリースイート」搭載率は60%超。20年12月から販売を開始した換気、空気清浄が一体の室内環境システム「スマートイクス」も好評で、直近の採用率は80%超だ。高付加価値化の推進により、1棟当たりの単価は4153万円に上昇した。

 賃貸住宅事業の売上高は同3.8%増の1830億円。都心部中心のエリアマーケティングを徹底。オリジナル構法を用いた3、4階建ての拡販に注力し、その比率は77.9%と高水準。賃貸住宅「シャーメゾン」の1棟単価は1億2500万円となる。

 近年、同社が最も注力しているのが高付加価値賃貸住宅「シャーメゾンZEH」だ。同住宅は第2四半期時点で3486戸の契約。現中期経営計画の最終年度(22年度)の契約目標である2500戸を上回る。仲井社長は「当社は入居者売電にこだわる。入居者には環境に配慮した生活をしていただき、それにより〝エシカル〟な生活が普及する」と説明した。

 不動産フィー事業は管理室数が66万6789万室、入居率は98.0%と高水準を維持する。仲井社長は「賃貸住宅は一般的に5年に1回、入居者が入れ替わる。60カ月に1回、必ず空室が発生するので、98%はほぼ満室状態に近い」と説明した。

 通期計画を上方修正した。好調な受注、利益率改善を受けて、売上高は同4.3%増の2兆5530億円、営業利益は同18.0%増の2220億円、当期純利益は同19.8%増の1480億円に設定。売上高・利益共に過去最高を見込む。

積水ハウス

決 算 22年1月期第2四半期

売上高 1兆2,236億円 (4.8%)

営業利益 1,096億円 (18.4%)

経常利益 1,113億円 (22.8%)

当期利益 725億円 (22.1%)

予 想 22年1月期

売上高 2兆5,530億円 (4.3%)

営業利益 2,220億円 (18.0%)

経常利益 2,180億円 (18.0%)

当期利益 1,480億円 (19.8%)