年末までにワクチン接種が進み、新型コロナの影響を大きく受けたホテルや商業施設、駐車場の落ち込みが一服し、オフィスや住宅の堅調が続く見通しだ。東京建物とヒューリックは、12月期決算の第2四半期連結業績を発表。ホテルなどは高価格帯へのシフト、商業施設に対する投資家評価の見直しなどの動きが出ていると言う。
年末まで堅調さ続く見通し 東京建物、増収増益
東京建物の21年12月期第2四半期業績は、オフィスビル賃貸、粗利率が改善した分譲マンションが好調だったことに加え、投資家向け物件売却が増加し、増収増益となった。ビル事業は、都市型ホテルの賃料収入が減少したものの、物件売却やオフィス賃貸が堅調で増収増益。オフィスの空室率もやや改善し、「大規模な解約はなく、空室の埋め戻しができている」(東京建物)。コロナ禍でも業況が好調なテナント企業の入居があるためと言う。
販売不動産売却が順調 ヒューリック、増収増益
ヒューリックの21年12月期第2四半期業績は、オフィスなど不動産賃貸収入が安定的に推移し、販売用不動産の売り上げも順調に推移したことなどから、増収増益となった。オフィスについては、全物件で空室率1%以下を継続している。同社では「立地やスペックでの差別化が進むのではないか」と見ている。
テナントの経済的な活動維持を意識したオフィスなどの物件の耐震性強化を目的としたポートフォリオ再構築を加速。不動産事業において、飲食以外は比較的堅調なことから、賃貸不動産については半数以上を占めるオフィスから他の用途へのシフトを継続的に進めていく。
東京建物
決 算 21年12月第2四半期
営業収益 1,625億円 (6.7%)
営業利益 303億円 (63.1%)
経常利益 281億円 (65.2%)
当期利益 201億円 (86.3%)
予 想 21年12月
営業収益 3,550億円 (6.0%)
営業利益 540億円 (8.8%)
経常利益 480億円 (2.0%)
当期利益 330億円 (3.8%)
ヒューリック
決 算 21年12月第2四半期
売上高 2,200億円 (37.3%)
営業利益 586億円 (25.1%)
経常利益 565億円 (24.9%)
当期利益 359億円 (30.4%)
予 想 21年12月
売上高 --億円 (--%)
営業利益 1,100億円 (9.3%)
経常利益 1,000億円 (4.5%)
当期利益 650億円 (2.1%)