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グローベルス クラウドファンディングシステム提供 投資市場を活性化 

 不動産投資型クラウドファンディング『大家.com』(オオヤドットコム)を運営するグローベルス(東京都品川区)は、情報システム開発のSAMURAI TECHNOLOGY(東京都港区)と共同し、新たなパッケージングサービス『gro-funding pro』の提供を始めた。不動産事業者向けに、不動産特定共同事業法(以下、不特法)第1号事業での電子取引のクラウドファンディングのシステム構築や運用を支援する。同事業への参加者を増やし、市場全体を活性化させるのが狙いだ。

 新サービスは、不動産会社などの事業者が保有する現物不動産から投資家へ収益を分配する不特法「第1号事業」の許可手続きのほか、クラウドファンディングシステムの構築や運用・保守までのそれぞれの段階の支援をパッケージングして提供する。「これまでに培った運用ノウハウを凝縮した。知見や注意ポイントを伝えて、自立運用できるまで、半年間は伴走する。各社のDX化導入の取り組みの一つになる」(グローベルスソリューション事業部企画運用課課長代理の岡本勲氏)。

 また、『大家・com』が第2号事業者(契約締結の代理・媒介)として協力できる体制を活用してもらうことにより、「新規事業者の参入のハードルを下げる。事業参加者や投資家を増やし、市場の拡大を目指して同事業の普及に貢献する」(グローベルス会長の岡勝氏)。

 特長は、システムを各社の要望に応じてカスタマイズできること。更には、『大家・com』の登録投資家からの同意を得た場合には、その投資家を「送客」してもらえる集客の支援もある。

 次なる構想も直近で控えている。『大家・com』のクラウドファンディングでは、募集開始後、すぐの数分で締め切る状態で、投資家の高い関心がうかがえる。そこで、各事業者が組成物件を無料掲載できる「クラウドファンディングのポータルサイト」をグループ会社が6月中にも立ち上げる。21年内に10社の掲載を目指している(イメージ図)。

 今回の新サービスは5月の提供開始から、すでに30社超の問い合わせがあるという。「現状で参入事業者が少ないながら、成長市場の潜在価値は高い。投資を始めたい人たちに、将来に備えて興味をもってもらう。その社会的意義のある啓発活動の意味を含め、投資家や事業者を広げたい」(岡会長)と話している。