総合

大言小語 心を癒やす

 桜の開花情報を耳にする季節となった。東京では、今年の桜の見頃と緊急事態宣言解除が重なるかもしれない。ただ、たとえ見頃と重なったとしても、昨年と同じように、大人数で集まるようなお花見は今年も控えるしかなさそうだ。ここで感染してしまったり、人にうつしてしまっては、これまで自粛してきた努力が無になってしまい、悔やみきれない。

 ▼自粛生活の長期化で、人々の心も疲れてきている。マスクで覆われた顔には元気がない。そんな中、ベビーカーに乗せられた小さな子供がマスクをしないで電車に乗り込んできた。そして周りの大人に微笑みかける。やはり笑顔は素晴らしい。

 ▼コロナによってブームになっていることの一つにガーデニングがあるという。3月になってホームセンターでも様々な植物が売られ始めた。花を育てる楽しみはなんといっても、つぼみが開花する瞬間だろう。花見に出掛けられない今は、せめて自宅で花が微笑む姿を楽しみたい。

 ▼コロナで始まったニューノーマル(新常態)に住宅・不動産業界はビジネスチャンスを見いだそうとしている。在宅勤務対応のワークスペース確保や感染対策設備などの提案が本格化している。自宅で過ごす時間が増え、住まいに求めるものも変わってきたのは確かだ。ただ、生活スタイルの形だけでなく、家での心の癒やし方にもっと目を向けてもいいのではないか。