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大言小語 明暗分かれる施策

 紆余曲折を経たものの「Go To トラベル」キャンペーンが、7月22日に始まった。インバウンド需要の急激な落ち込みを下支えするため、国内旅行を対象に宿泊、日帰りの旅行代金の2分の1相当を支援する試みだ。1人当たり1泊2万円、日帰り旅行は1万円がそれぞれ上限額となっている。

 ▼この春に予約していた久しぶりの一家そろっての九州旅行が、このコロナ禍でやむなく中止せざるを得なかった我が家としては、喉から手が出るほどありがたい話なのだが、残念なことに我が家は東京在住で対象外。しかもコロナの第2波リスクの高まる中での開始が世間の不評を買うのは当然だろう。

 ▼コロナ禍が長期戦の展開になりつつあり、政府も振り回され気味で施策は当面迷走を繰り返しそうだが、不幸にも的中しそうな施策が「テレワーク・デイズ」だ。政府がテレワークの普及、推進を目的に17年から始めた全国を対象にした事業で、19年は2887団体、約68万人が参加した。東京五輪・パラリンピックが予定されていた今年は7月20日から9月6日までを「テレワーク・デイズ2020」とし、競技大会中を集中実施期間とするなど準備していた。

 ▼予定通りだったならば、今ごろは開会式の余韻に浸りながら、全国が半世紀ぶりの五輪大会に沸いていたはずだ。延期された1年後の開催も危ぶまれるが、辛抱強く冷静に見守るしかなさそうだ。