総合

大言小語 新たな日常

 関東地方も梅雨入りが近づいているようだ。みずみずしい若葉が例年以上に目にしみる。というのも、新型コロナウイルスのせいで落ち込みがちな気分を癒やしてくれるものがいとおしい。今は誰もが先の見えない不安と戦っている。

 ▼新型コロナによる不安で、長期の住宅ローンを組む住宅取得に対するマインドが落ち込むのではないかと懸念されている。大手ディベロッパーも20年度の業績予想では、軒並み慎重な見方に転じている。不安を解消するためには、リスクに目をつぶるのではなく、予想されるリスクを開示して、減らせるものは減らし、万一のときにも対応できる手立てを講じておくことだ。こういうときだからこそ、今まで以上に丁寧な情報を顧客に提供する必要がある。

 ▼今回のコロナで見えてきたリスクは、突然の経済低迷による大幅な収入減、勤務先の倒産、家族の罹患などだが、こうしたリスクが、ある意味今後の〝新たな日常〟になる。住宅ローンも、そこに合わせた変革を迫られるのではないか。例えば、ノンリコースローンの導入などだ。

 ▼ただ、不安におびえるばかりでもいけない。住宅・不動産業界は国民を幸せにする産業だ。ウイルスとの共存など新たな日常が始まるのであれば、新たな日常での幸せとは何かを考えればいいのではないか。梅雨の季節にも誰もが愛でるアジサイが咲くように。