政策

JNTO調べ 訪日外客数・3月 新型コロナで93%減 統計開始以来最大の下落幅

 日本政府観光局(JNTO)の4月15日の発表によると、3月の訪日外国人旅行者数(推計値)は前年同月比93.0%減の19万3700人だった。6カ月連続の減少で、1964年の統計開始以来、単月として最大の下落幅となった。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う水際対策や各国の渡航制限措置などが、明確な数字として表れた。

 地域別で見ても、全20市場のすべてが前年同月の半数以下へと大幅に減少。特に同感染症の発生地であり、かつ絶対数も多かった中国は同98.5%減で最も大きな下落幅となっており、東アジア(4市場)では平均同97.6%減と激減している。また東南アジア市場は平均同86.3%減、欧米豪市場は平均同82.7%減で、世界各国からの入国が総じて停滞している状況が如実にうかがえる。

 田端浩観光庁長官は同日の会見で、「大変大きな(訪日外客数の)落ち込みとなった。各国の入国規制や航空便の大幅な減少もあり、4月も引き続き困難な状況になる」との見解と共に、「同感染症は世界全体で対処するべき喫緊の課題であり、一刻も早い封じ込めを目指すことが第一だ」と厳しい口調で語った。

 併せて田端長官は、「現在が極めて苦しい時期だとは承知しているが、同感染症の終息後速やかに反転攻勢に出られるよう、まずは観光関連事業者の事業維持と雇用の継続を促す。また、こうした中でも設備投資や改修工事を図るホテルなどは、積極的に支援したい」と方針を述べた。