まちづくりで生物多様性認証、SDGsへの対応背景に 「HARUMI FLAG」が第1号認証 〝環境の成果〟を可視化 いきもの共生事業推進協議会
住宅新報 2019年6月18日 号 4面

緑地が多い「ハルミフラッグ」のイメージ
まちづくりに生物多様性の視点を取り入れる動きが出ている。(一社)いきもの共生事業推進協議会(ABINC)は、19年からいきもの認証事業所認証(ABINC認証)に、街全体を認証する「ABINC ADVANCE」を創設した。その認証第1号となったのが「HARUMI FLAG(ハルミフラッグ)」(東京都中央区晴海五丁目)だ。三井不動産レジデンシャル東京オリンピック・パラリンピック選手村推進室主管の高木洋一郎氏は、ハルミフラッグの緑化計画について「ABINCの思想を設計上の物差しとし、生態系にも配慮し、樹林の構成断面なども経年変化と更新まで想定した計画」とした。これにより「環境の成果として可視化できた」(高木氏)と言う。
「ABINC ADVANCE」認証は、生物多様性の保全に貢献する土地利用を認証する制度の一つで、住宅やオフィス、商業施設、倉庫などで構成される複数の街区を対象に統合的に認証する。同認証の開発背景は、SDGs(持続可能な開発目標)の採択や不動産分野におけるESG(環境・社会・ガバナンス)投資の拡大などで、「建物単体だけの認証制度では評価できなくなった」(原口真ABINC理事)ためだ。
同認証は、SDGsの理念に合致し、持続可能なまちづくりへの貢献を評価するツールとして、「日本からの提言」(同)と位置付ける。将来的にLEEDなど欧米の認証制度との相互認証も視野に入れた制度設計にしている。同認証の特徴は、持続可能なまちづくりへの事業者の考え方を論述で定性的に評価。同時に、持続可能なまちづくりと生物多様性保全に貢献する取り組みを点数化して、全体評価を決める。
一方、「ハルミフラッグ」は、同認証を含めた4つの環境認証を取得。総敷地面積が約13ヘクタールで、このうち40%以上の緑化率を確保する計画とした。「特徴ある森を街の各所につくるために、樹木は約100種、中低木だけで約3900本を植樹」(高木氏)。これにより、必要な機能と地域植生、耐潮性の問題に対応した。高木氏は「住んでいるだけで先進のエコな生活ができ、住民の皆さんが自然にSDGsに参加している」とし、環境認証を一つの指標にして、まちづくりを行うことの重要性を指摘した。























