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大言小語 隣のファーウェイ

 〝米中貿易戦争〟が勃発したことで様々な影響が日本にも出ている。中国通信企業ファーウェイに対する米国の制裁措置により、グーグルが一部ソフトウェアの供給を制限する可能性が出てきた。Gメールやユーチューブが使えなくなる。通信大手数社は夏モデルとして発表した同社製のスマートフォンの発売を延期した。

 ▼日本の端末市場に参入してきたのは12年前。なじみのないブランドが、10年かからずにSIMフリースマホの分野で販売台数1位となる。同社の欧州での販売シェアは韓国サムスン電子に次ぐ2位。その勢いはまさに飛ぶ鳥を落とすものだったが、このままだと陰りが出ることは間違いない。

 ▼アプリだけでなく、OSのAndroidもグーグルの産物。同社では、自前のOSを作る能力もあるとしているが、日本人からは、「大量のガラパゴス端末が生まれる」と揶揄する声もある。

 ▼さて、その日本。一時は百花繚乱の企業が「ケータイ」に参入していた。今では、片手の指で足りるほどの数で、しかも、世界で戦える力はほとんどなくなっている。住宅・不動産業界にとっても人ごとではない。IoT・AIも、突発的事情によって、使用不能となるおそれがあるということだ。それを防ぐには、自ら技術を開発していくか、そうした技術を持つ国にもみ手をするかしかない。他山の石として、ファーウェイの行方を見ていかねばならない。