賃貸・管理

大言小語 すべての街が生きている

 先日発表された都道府県地価調査では、東京圏の住宅地の上昇率順位で、城北とよばれる「荒川区、足立区、北区」の基準地が10位中7位を占めた。人気のある城南地区と比べて通勤・通学時間も変わらない。むしろ、東京・大手町なら近いぐらいだ。

 ▼とはいえ、やはり沿線イメージなどはかなわない。インターネットなどで行っている「住みたくない街ランキング」では、今回上昇した地点の駅が出ている。治安の悪さ、街の雰囲気などがその理由だが、その根っこには、地域による住民差別があるのではないか。世田谷区や目黒区はセレブも多く、治安はいいが、足立区や荒川区はガラの悪い人が多いとか、イメージ先行のきらいもある。

 ▼本紙は年2回家賃調査をしており、街を実際に回って業者さんの話を聞いている。その際、人気のある路線であっても、タバコを吸って街を闊歩する高校生などいくらでもいる。逆に少々ガラは悪くても、明るい女性や商売人の活気あふれる声などが聞こえる街だと、こちらも元気になる。

 ▼あるTV番組が荒川区三河島から葛飾区金町まで、常磐線の快速・各停の駅を取り上げたことがある。「ディープな下町特集」というタイトルだったか。そのすべての街に、そこを誇りに思う住民がいて、いい居酒屋があった。足を運んだことのない人はぜひ訪ねてほしい。ハマること請け合いだ。