総合

大言小語 関心高まる不動産資格

 17年度宅地建物取引士資格試験が無事に終わった。2年前に「取引主任者」から「取引士」へと名称が変わった影響もあるのか、ここ数年、受験者数の増加が続いている。

 ▼もう一つ、業界資格として注目を集めているのが賃貸不動産経営管理士だ。こちらは業界団体の任意資格だが、昨年は受験者数がそれまでの3倍近くに急増し、今年はそれを更に上回る見込みだ。昨年の賃貸住宅管理業者登録制度の改正で事務所ごとに実務経験者を置くことが義務付けられ、同管理士資格者もそれに該当するようになったことが最大の要因のようだが、将来の国家資格化への期待もある。いずれにしろ不動産の専門資格に関心が高まっていることは注目に値する。

 ▼最近「仮想通貨」への関心も高まっている。通貨はかつて、〝金〟と連動するなどその価値が担保されていた時代もあった。現代の通貨は国の信用に基づくものだが、仮想通貨登場の背景には国に対する信用が薄れてきていることもあるのか。

 ▼ただ、東京一極集中が進む日本にはもう一つ国民の信頼を得ているものがある。それは、東京・都心の不動産が持つ収益力だ。近年の不動産投資ブームの高まりも国への信頼が薄らいでいることの裏返しか。不動産はなんと言っても〝実物資産〟。国の財政破綻懸念など将来不安が不動産関連資格への関心を高めているのだとしたら、やや複雑な心境にもなる。