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大言小語 プレミアムってなに?

 今月24日から経産省や経団連が旗振り役のキャンペーン「プレミアムフライデー」が始まる。月末の金曜日、午後3時には仕事を終えて、食事や買い物、旅行に出かけてもらおうという企画だ。個人消費を盛り上げることが狙いらしい。

 ▼それと併せて長時間労働の是正など働き方改革にもつなげたい考えだ。既に社内制度として開始を表明する企業も登場している。ただ、疑問視する声も。「早帰りした分のしわ寄せが他の曜日にくる」「なぜ忙しい月末近くなのか」「そもそも収入が増えなければ、時間ができても消費には動かない」など。

 ▼プレミアムといえば、国交省が中古住宅の流通促進策として検討している制度「プレミアム既存住宅(仮称)」の名称が変わるらしい。新しいイメージの既存住宅を表す呼び名として「安心住宅」や「適格住宅」が候補として挙がっている。

 ▼〝プレミアム〟という言葉からは、普通よりワンランク上の特別の価値があるものという印象を受けるが、社会に閉塞感が強い今、国は国民に明るい未来を見せたがっているのだろうか。「プレミアムフライデー」にあえて反対する気はないが、働き方を見直すにしても、住宅を選ぶにしても、大切なことはプレミアムな生活とは何かを個々人が考えることではないか。未来が不透明であればこそ、〝未来を自ら創る〟気概が国民に求められている。