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東急、多摩田園都市エリアで実証実験 新まちづくり構想に着手 桐蔭学園と協定、学生起点に活動拡大

 東急は、シグマクシス・ホールディングスと共に、多摩田園都市エリアにおける新たなまちづくり「nexus(ネクサス)構想」の取り組みとして、6つのサステナブルテーマに沿った各種実証実験を開始する。サステナブルテーマのうち「エネルギー」と「教育」をテーマにした相互連携に関する協定書を学校法人桐蔭学園と締結。同社は、学生が地域に貢献する活動をすることで、地域の活性化や多世代交流などが生まれる効果を期待すると共に、団地の活性化に貢献する活動を学生が企画するなど、継続的に地域に根差した活動をすることにより、学生の学びにも地域の活力にもなることを目指す。

 ネクサス構想は、郊外における生活者起点での自由で豊かな暮らしの実現を目指し、多様な企業・行政など(バディ)と連携。職・住・遊・学が近接したWalkable Neighborhood(歩きたくなるまち)を創り出す取り組み。6つのサステナブルテーマは、「農と食」「ウェルネス」「モビリティ」「エネルギー」「資源循環」「教育」で、今後はこれらのテーマに沿った様々なサービスの実証実験を、東急田園都市線のあざみ野駅周辺から「nexusチャレンジパーク早野」周辺までの「広域あざみ野エリア」で、地域の生活者やバディと実施する。

 同社と桐蔭学園、東急電鉄は10月12日、「教育」と「エネルギー」をテーマにした相互連携に関する協定書を締結。「学びの場の創出」「(次世代太陽電池である)ペロブスカイト太陽電池の実証」を三者が連携して行い、多摩田園都市エリアにおけるまちづくりを推進する。

 22年度中の開始を目指しており、「教育」においては、ネクサス構想や次世代郊外まちづくりといったまちづくりをテーマにした教育を桐蔭学園にて実施するほか、「nexusチャレンジパーク早野」を学びの場としたアクティブラーニング型教育を実践する。小学校から大学まですべての年代を対象に、まちづくりをテーマとした教育は、テーマの提供を同社が行い、授業に関しては桐蔭学園と共同して行う予定だ。

 「エネルギー」においては、三者が保有する施設を活用したペロブスカイト太陽電池の実証・実装、プロモーションを実施する。

高齢者向けアプリ実証実験

 サステナブルテーマの具体的な取り組みの初弾として、10月14~16日の3日間で、「ウェルネス」をテーマとし、主にシニア世代に向けたサービスを提供・検証するイベントを、横浜市青葉区のすすき野団地周辺にて実施。健康管理アプリを使った健康相談、スマートフォンやスマートウォッチによる健康管理や見守りサービス、各種デバイスを活用したオンラインコミュニケーションといった、デジタルを活用したサービスを体験できる。今後も、生活者の健康促進への興味関心・ニーズを把握し、実装に向けた検証を持続的に行う予定だ。

 このほか、「IoTによる次世代型農業の支援」、「家庭ごみなどの資源循環」などを計画している。