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三栄建築設計 19年GD賞後、タツミと共同開発 火打ちレス金物を一般販売へ

 三栄建築設計は、タツミ(新潟県見附市、山口紳一郎社長)と共同で開発した「火打ちレス金物」を商品化し11月22日から一般販売を開始した。同社が外部販売を行うのは初めて。一般的な木造軸組構法では、吹き抜けを設けると構造上強度を保つために、梁(はり)に火打ち材が必要になり、それが天井部分に露出。意匠性のほか窓の開閉、照明に干渉するという問題があった。これを解消するものとして、同社とタツミは19年にグッドデザイン賞を受賞した「火打ちレス金物」を改良。工務店や設計事務所から反響があったため、一般販売するに至った。

 19年にグッドデザイン賞を受賞した「火打ちレス金物」は、そのコンセプトが評価されたプロトタイプで実用化するには、更なる開発を進める必要があった。当時は、金物をサンドイッチする必要があり、強度を保つために4角に設置する必要があった。これを面積に応じて片側だけで使用できるようにし、2角の設置も可能となるように改良した。

 同社は日本木造分譲住宅協会の設立に名を連ねるなど木造住宅のシェア向上のための活動に注力。同社では、今回の一般販売も木造住宅の質向上に向けた活動の一環と位置付けている。