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大手デベが木質バイオマス発電事業 再エネ市場への参入続く 地所や東急不 SDGs貢献など背景に

 木質バイオマス発電事業に大手ディベロッパーが参入している。18年に事業参入した東急不動産に続き、5月31日に三菱地所が参入を表明した。大手ディベロッパーの木質バイオマス発電事業への進出は、拡大する再生可能エネルギー(再エネ)市場への参入と共に、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献が背景にある。

 三菱地所は、埼玉県東松山市でバイオマス発電事業に参入する。同社が60%を出資し、静岡ガス&パワー(株)が35%、プロスペックAZ(愛知県名古屋市)が5%を出資し、合弁会社「東松山バイオマス発電合同会社」を設立。東松山市に1990キロワットの発電容量のバイオマス発電所を建設する。22年度からの運転開始を予定している。

 バイオマス発電は、間伐材などを燃料にする火力発電で、燃料は街路樹や公園の樹木などから発生したせん定枝を利用する。東松山では、埼玉県内や近隣都県からせん定枝を調達する計画だ。一般家庭約4800世帯分に相当する年間約1500万キロワットを発電し、年間約6900トンのCO2を削減する。

 発電した電力はテナントへの供給や自社利用を検討する。同社では、バイオマスに限らず、幅広く再エネによる電源開発を進める計画で、供給・需要マネジメントも実施して、面的なまちづくりにおいて再エネを積極活用する方針だ。

 大手ディベロッパーでは、東急不動産が中部電力などと鳥取県米子市において木質専焼バイオマス発電所の開発に参画。22年3月に運転開始を計画している。

再エネの地域共生視野に

 東急不動産は、再生可能エネルギー事業に注力しており、6月1日には、大阪ガス、清水建設、東京ガス、(株)Looopなど10社と共に、「一般社団法人再生可能エネルギー地域活性協会」(東京都渋谷区道玄坂1丁目21の1)を設立。代表理事に池内敬東急不動産取締役常務執行役員が就任した。同協会は、今後、地域と共生する再エネ導入拡大および地域活性化を目的とした事業者と地域の接点創出や、再エネ業界の発展と主力電源化を目的としたナレッジ・ノウハウ共有を実現するためのプラットフォームを提供していく。