政策

3次補正予算 新ポイント制度に1094億円 国交省関係は3.29兆円

 政府は12月15日の臨時閣議で、20年度第3次補正予算を閣議決定した。追加の歳出は全体で19兆1761億円で、このうち国土交通省関係の予算は3兆2912億円。

 同補正予算では、同月8日に閣議決定された政府の追加経済対策で創設が明記された「グリーン住宅ポイント制度」(以下「グリーン」)に対しては、1094億円の予算が割り振られた。消費増税への対応として設けられた「次世代住宅ポイント制度」(以下「次世代」)の枠組みを継承、対象を拡充した制度で、「次世代」の予算(合計1300億円)の執行状況等を鑑みて予算規模を設定した。

 「グリーン」はコロナ禍による住宅需要低迷を受けた消費喚起策であると共に、3次補正において「デジタル化と並ぶ柱である脱炭素化」(同省担当者)に向けた住宅性能向上施策と位置付けられている。一定の要件を満たした住宅の取得等に、商品や追加工事と交換できるポイントを付与するもので、持ち家の新築をはじめ、リフォーム、既存住宅の購入、賃貸住宅の新築に最大100万円相当のポイントを発行する。

 対象は、12月15日から21年10月31日までに工事請負や売買の契約を締結した住宅。また住宅の区分ごとに省エネ性能や特定の移住要件、世帯要件などがあり、要件の水準や組み合わせによりポイントが加算される。

 同様に、消費増税への対応策である「すまい給付金(住宅市場安定化対策事業)」も3次補正で777億3600万円の予算が計上された。21年末までに入居した住宅の取得に最大50万円を給付する。住宅分野ではこのほか、「省エネ性能の高い木造住宅等の普及促進」にも10億円を計上し、支援事業を行う。

コロナ対応の街づくり支援

 街づくり分野においては、テレワーク拠点等の整備支援に27億7100万円の予算を配分した。地方都市におけるコワーキングスペース等の整備を支援するほか、老朽ストックを活用したテレワーク拠点やオープンスペースに対する金融支援も行い、職住近接・一体に対応した街づくりや既存の都市アセットの利活用を促進する狙い。

 更に、スマートシティのモデルプロジェクト支援等に10億円、条件不利地域における定住等の促進や産業基盤整備の支援等に3億1800万円を投じる。

 加えて「防災・減災、国土強じん化」も3次補正の大きな柱の一つとなっており、その「5か年加速化対策」の初年度予算という位置付けで1兆3684億円を計上している。事業年度は21年度から始まるものの、早期着手などを図るため今回の補正予算にその経費を盛り込んだ。

 個別事業としては、防災・安全交付金等に4925億800万円、「流域治水」推進に計4269億6000万円、南海トラフ地震等を見据えた住宅・建築物の耐震化・津波対策に6億2000万円が計上されている。

 なお、追加経済対策で21年6月までの実施期間延長が明記された「Go Toトラベル」事業については、1兆311億1400万円が確保されている。引き続き国内観光事業と関連産業を支援し、周辺地域の経済環境の維持を図っていく姿勢を示したと考えられる。