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井上万博担当大臣単独インタビュー 大阪・関西の街づくりビジョン語る ビジネス好機、事業者と協働望む

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井上信治万博担当大臣
 9月16日の菅義偉内閣の発足に伴い、初入閣を果たした井上信治国際博覧会担当大臣。国土交通省住宅局の出身で、自由民主党でも住宅・不動産分野の要職を務めるなど業界に造詣の深い井上大臣に、「25年大阪・関西万博と街づくり」をテーマとした単独インタビューを実施した。(聞き手=佐藤順真、撮影=佐々木淳、11月27日取材)

 ――就任から約2カ月、現在の方針や目標などは。

 「万博は、このコロナ禍を乗り越え、来年の東京五輪・パラ五輪を成功させた後に続く国家的なプロジェクトであり、絶対に成功させなければならない。それには国民の賛同と熱気が不可欠で、全国で万博に向けた機運の醸成を図っていく必要がある。そのため現在は自分が司令塔、広告塔となって動くことが最も重要な責務だと考えている」

 ――足元の状況や活動は。

 「全国的な機運の醸成と同時に、やはり地元である大阪・関西の理解と協力も欠かせない。週に一度程度は直接大阪や関西を訪れ、首長をはじめ様々な関係者と面会して意見を交わしている」

 「そしてもう一つ重要なことが、国際的な対応だ。12月1日にBIE(博覧会国際事務局)で今回の万博計画の登録承認手続きが予定されており、これにより正式に国際的に大阪・関西万博の開催が認められる(編注・取材後、予定通りBIE総会にて登録申請承認)。承認されれば正式に国際的な招請活動が可能となるため、東京にいる各国大使も含め、様々な手段で世界各国に依頼を行っていく」

来訪者と地域双方に恩恵

 ――万博と共に進める街づくりのビジョンは。

 「前提として強く感じるのは、地元の人々が万博に対して非常に前向きで、楽しみにしているということ。近年の大阪・関西は首都圏と比べ相対的な地位が低下、停滞していた時期もあったかもしれない。そうした中で、関西の人々は本当に頑張っており、万博が決まる前から多様な街づくり関係の計画が立ち上がっている。万博という国家的プロジェクトを好機と捉え、国としても地元の取り組みを最大限に支援していきたい」

 「方向性として、地元の人々のよりよい暮らしを実現すると同時に、やはり国内外から大勢の観光客が見込まれるので、万博会場だけでなく広く大阪・関西を訪れてもらえる街づくりを進めていきたい。地元の事業者を中心に住宅分野で複数のプロジェクトが進んでいるほか、会場である夢洲周辺の湾岸エリアでも開発途上の地区があるので、まずは地域の取り組みを後押ししていきたいと考えている」

 ――来訪者と地域住民の双方に恩恵のある街づくりを進めていくということか。

 「そういうことだ。住宅や商業施設だけでなく、例えば道路や鉄道を整備すれば、万博来場者はもちろん、日常的に使う地元の人々の利便性向上に最も貢献できるはず。だからこそ、しっかりと街づくりを進めていかなければ」

 ――地域との協働は。

 「例えば、大阪はスタートアップ、ベンチャーの盛んな地域ということもあり、現地でその育成支援を行っている。自分は万博担当以外にも科学技術や宇宙政策など複数の分野を所管しているので、それを活用して組み合わせられれば、有益な相乗効果を得られるのではないかという考えもある。先日も現地の若いベンチャー経営者らと意見交換をしてきたところだが、やはり万博は未来に向けた夢のあるプロジェクトなので、そういった志ある若い人たちに積極的に参画してもらい、連携の輪を広げてもらいたいと思って支援している」

「夢は無限」言葉に熱込める

 ――手続き面については。

 「開催準備を行う上で、まず万博の基本方針を政府で定める必要があり、年内の策定を念頭に進めているところだ。次に事務局である『2025年日本国際博覧会協会』が〝基本計画〟を作る。これも年内には完成させたい。更に、これは特に街づくり関連の事業者に関わる部分だが、〝関連事業計画〟も作成する。主に周辺の交通・都市インフラ整備などに関係する計画で、来春ごろの閣議了解を目指しており、関係省庁や地元自治体と調整している」

万博契機にスマート化も

 ――万博開催後の地域や街づくりについては。

 「先の話題とも重なるが、万博を機に科学技術や健康医療、デジタル化といった社会課題への対応を進めていきたい。もともと、大阪・関西には先端的な研究機関や企業が多く、健都(健康医療都市、吹田市)や彩都(国際文化公園都市、箕面市)など先進的な都市もある。万博で披露された技術を活用し、スマートシティのような都市開発を進めていくこともできるだろう。そうした新しい街づくりが、万博前後の大きなテーマの一つだ。特にスマートシティやそれを拡大したスーパーシティは、国の用意する枠組みであると同時に、地元が様々なアイデアを実現できる仕組みでもある。よいアイデアがあればぜひ伝えてほしい。そのために規制緩和が必要ならば、自分が政府の中で全力を尽くし、制度改革の実現に向けて尽力する所存だ」

 「もう一つ、会場である夢洲の跡地利用も重要な点。地域にとってよりよい街づくりを進めていくことが大切だが、住民にとっての恩恵だけでなく、事業者にとっては大きなビジネスチャンスとなるはず。積極的に参画してもらって共に優れた地域づくりを進めていけたらうれしい」

地元が誇れる街づくりを

 ――「協働」と共に「先進技術活用」がキーワードか。

 「今は新型コロナの影響で、どうしても世の中はネガティブな話が多い。だからこそ、万博という本当に夢のある、未来につながるプロジェクトでたくさんのアイデアの実現に挑戦したい。前回の70年大阪万博も同じで、例えば携帯電話や動く歩道など、多くの先端技術が万博を端緒に広がった。地元の年配の人は今も、70年万博がいかに素晴らしかったか目を輝かせて語る。だから2025年、そのときの子供たちが50年後に万博を振り返ったときに『素晴らしかった』と言ってほしいし、半世紀後にも地元が誇れる街づくりにつなげたい。街づくりに限らず海洋や航空、宇宙分野についても様々なビジョンがある。やはり夢は無限に広がるもので、この〝わくわく感〟が大事。それを醸成し全国に伝えていきたい」

 ――住宅・不動産、街づくり事業者へメッセージを。

 「大阪・関西では現在、新型コロナの影響で地価が下がったり、住宅の着工や販売などが伸び悩んでいたりする地域もある。しかし今はこらえて、万博を一つの契機として元気を取り戻してほしい。我々政治や行政の側も地域を盛り上げるために頑張るので、事業者の皆さんも参画、協力してもらいたい。そして万博は大きなビジネスチャンスでもあるので、期待もしてほしい。万博の成功のためには、やはり民間事業者の協力をどれだけ得られるかが極めて重要となるため、ぜひ連携と協働をお願いしたい」

■井上信治(いのうえ・しんじ) 自由民主党所属の衆議院議員(東京25区、6期)。国際博覧会担当大臣、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策)。94年東大法卒、旧建設省入省。02年国土交通省住宅局建築指導課課長補佐を経て政界に身を移し、03年初当選。現在は全日本不動産政策推進議員連盟事務局長、同党中古住宅市場活性化委員長などを務める。69年生まれ(51歳)。

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