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社説 おとり広告に改善の兆し 一層の意識改革と業務改善を

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 主に賃貸住宅などの入居者募集広告で、後を絶たなかったネットのおとり広告違反が減少に転じる兆しが見えてきた。表示に関する公正競争規約の違反者を対象に、複数の主要不動産ポータルサイトへの広告掲載を原則1カ月以上にわたって停止とする措置が昨年、首都圏不動産公正取引協議会で初めて導入され、その抑止効果が徐々に表れてきたからだ。しかし、違反はいわば氷山の一角でもある。広告掲載停止がポータルサイトに限定したものであることを考えると、問題が解決に向かい始めたとみるには時期尚早だ。根絶には、情報の発信元である宅建業者自身の更なる意識改革と業務改善はもちろんのこと、広告実務に携わるスタッフのスキルアップも不可欠だ。

 広告停止措置は、同公取協からおとり広告違反と判断され厳重警告・違約金の措置を受けた事業者が対象で、同公取協のポータルサイト広告適正化部会に属する各社のサイトで違反事業者の広告掲載を一斉に停止するもの。事業者単位でとられる措置であるため、賃貸仲介の事業存続に多大な影響を及ぼしかねないと重く受け止められた。その結果、ネット広告の掲載に慎重に臨む業者の意識に変化がうかがえるようになってきたことは朗報と言える。近畿地区不動産公正取引協議会と九州不動産公正取引協議会もそれぞれ同措置を導入済みで、東海不動産公正取引協議会でも今後、導入する方向だ。措置の対象エリアは4大都市圏に広がりを見せ、一層のおとり広告浄化が期待される。

 実在せず取引ができない、物件は存在するが取引の対象になりえない、あるいは取引をする意思がない、といった物件広告がおとり広告として位置付けられている。チラシや雑誌が不動産広告の主流だった時代から問題点として浮上しては改善策がとられてきた。2000年代以降は、不動産情報のデジタル化と情報量の膨大化が急速に進み、情報発信元でさえ管理しきれないほどの不動産情報がネット上に膨れ上がってしまったことが、近年のおとり広告急増の背景にある。

 依然として、ずさんな管理であることを承知の上で広告をネットに公開していたり、ポータルサイトに登録する情報は慎重に取り扱うものの、自社ホームページの管理に手落ちがあったりするケースも残っている。たとえ「うっかりミス」によるものであっても、消費者に誤った広告を公開することに変わりはなく、早期に根絶されるべきだ。悪質な違反に対しては、現状1カ月にとどまっている停止期間の長期化、あるいは違反事業者名の公開なども視野に入れられるべきだろう。ただ、実質上の事業停止にも等しいより重い措置となるため、関係機関には公平かつ慎重な判断のもとで制度の運用を期待したい。

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