政策

大言小語 消費増税に映る国の未来

 消費税増税前の駆け込みと反動減で大きな波にさらされた住宅業界。回復もままならないうちに、二弾目の10%増税が迫ってくる。今度の焦点は軽減税率で、税制改正に向けた要望活動もそろそろ活発になりはじめる。

 ▼こうした動きは、業界外も同じだ。東京・霞が関の参議院議員会館で先週、10%増税をにらんで、新聞、書籍、雑誌への軽減税率適用を求める「文字・活字文化と国民のくらしを考える緊急集会」が開かれた。国会議員や協会団体トップをはじめ参加した業界関係者、賛同者が緊急アピールを採択した。

 ▼「〝知識に課税しない〟考え方がある欧米諸国では、新聞、書籍、雑誌に軽減税率が導入されている」。それを踏まえて、「読書活動は、未来志向や倫理的思考を養い、積極的に生きる力を育てている。国民が新聞、書籍、雑誌を手軽に購入し、読むことができるように軽減税率導入を要望する」というのがアピールの趣旨。その背景には、世界でも類稀な高い識字率は、資源の少ない日本が世界に誇れる貴重な(知的)資源だとの意見も聞かれた。

 ▼住宅業界が主張してきた生活基盤であると同時に社会的な財でもある住宅と、どこか共通項も感じられる。どのような結論に落ち着くのか。住宅も新聞、書籍も国の未来を担う国民にとって重要な品目には違いなく、公平な判断を待ちたい。