業界は未来を展望するのではなく創造すべきである。例えば賃貸住宅市場は420万戸の空室を抱える一方、公営住宅の応募倍率が全国平均5.8倍になるなど需要と供給との間に大きなミスマッチが生じている。つまり、所得に応じて選ぶことができる良質な賃貸住宅が不足している。どうすればユーザーニーズに応える賃貸住宅が供給できるのか。国も住宅政策の軸足をようやく持ち家から賃貸へと移し始めたようだ。今こそ賃貸住宅業界は賃貸の魅力を積極的にアピールするときである。「これからはローン返済額並みの家賃で、あなたにピッタリの賃貸住宅に住めます!」と――。
国内需要を対象にした産業は、画一型商品の大量生産・大量販売時代が終わり、多品種・少量生産型のビジネスモデルに移行しつつある。住宅業界では持ち家中古市場で、いち早くそうした動きが始まっている。膨大なストックをリノベーションによってカスタマイズすることで、多品種・少量生産型ビジネスが可能になるからだ。
空室を生かす
しかし、中古住宅以上にユーザー向けのカスタマイズが可能なのが既存の賃貸住宅である。入居に際し入居者自身が手を加える〝DIY〟方式や、昨年10月にスタートした「新・住宅セーフティネット」制度などがその好例で、空室や空き家を活用する賃貸市場に今、大きな可能性が生まれている。





















