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VOL43 発行日:2023.5.22

洪水災害のNEWSをみてみると、毎年多くの地域で河川氾濫の被害が広がっています。平成23年台風等により4度、平成24年九州、平成25年は4回の台風と集中豪雨で4度。平成26年、平成27年はそれぞれ1度、平成29年九州北部豪雨、平成30年西日本豪雨がありました。令和元年は、九州南部大雨、九州北部大雨、台風19号、台風21号とたて続けに大きな被害がありました。その後も毎年のように洪水被害は続いています。

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東京でも洪水は起きる

東京は、インフラが整備されているから大丈夫と思われていますが、江戸川と荒川に囲まれたおおよそ120万人の方が住む地域は、最も危険性が高いのです。首都直下地震で堤防が決壊するとこの地域では、住戸の1階はすべて水没すると言われています。しかも、ここは下町で狭い路地の多いところです。特に江戸川区は、4mの公道に面していない家が最も多いのです。4mに面していないと救急車も入れません。それだけではありません。建物が壊れてももう一度、建てることもできません。

保険に入れば補償してくれる??

この多発する自然災害で、一番困っているのが損害保険会社です。「火災保険」という名称ですが、実際は火事による補償よりも、台風や洪水などによる補償の方が多くなっています。火事の件数は昭和45年と比較すると半減しています。そのため「火災保険」は、どの保険会社も赤字になっています。

赤字だからといって補償しないことはしませんが、補償金額をできるだけ減らそうとしています。「台風で雨樋が破損した」と申請すると、「築20年だから経年劣化です。補償範囲外です。また、「雨水が侵入して内装が傷んだ」と申請すると「経年劣化による浸水です補償額は低くなります」などなど、思うように補償してくれません。そのため補償額が低すぎると、多くの保険申請で裁判になっています。

第三者による被害調査

なぜこんなことが起きるのでしょうか? 実は自然災害による査定には第三者の査定がないからです。自動車事故では、警察が証明します。健康保険は、医師が証明します。火事であれば消防署が証明します。ところが自然災害には、証明してくれる第三者がいません。保険会社から派遣される「鑑定人」が査定しますが、「鑑定人」は、保険会社から報酬をえるので第三者ではありません。

そこで地域に密着して事業を行っている不動産管理業や仲介業の方々こそが、この第三者になることができる存在です。難しい作業ではありません。年に1回は管理している物件を、見た時に少し時間をかけて劣化状態を確認し、写真を撮るだけです。

そして万一災害に見舞われた時には、内閣府や損害保険協会の定めた認証規定に基づいて被害が災害によるものだとの書類を作成します。

この役割を担えるのは、地域に密着している方だけです。この小さな業務がクライアントとの信頼の絆を結びます。日本橋ビジネス資格教育センターでは、そのための講座を開設しています。

関連資格:認定火災保険調査員