賃貸経営、管理、土地活用、不動産投資・空き家対策・建物検査などビジネスに役立関連ニュースや豆知識をお送りします。
VOL 34 発行日:2023.3.20

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不動産投資でトラブルにあった方々のお話で、気がついたことがあります。一つは皆さんはとても良い仕事をされているということです。医師や薬剤師として活躍されたり、大企業のエンジニアであったりしています。もう一つは、「確証バイアス」という心理状態にあったということです。

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確証バイアスとは、

「確証バイアス」とは、認知バイアスの一種で、自分にとって都合のいい情報ばかりを無意識的に集めてしまい、反証する情報を無視したり集めようとしなかったりする傾向のことをいいます。最初に思い込みがあると、多様な情報があっても、最初の考えを支持するような情報ばかりが目に付いてしまいます。
初代ローマ皇帝のユリウス・カエサルに「人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。多くの人たちは、見たいと欲する現実しか見ていない」(塩野七生著「ローマ人の物語」)という名言があります。
これが、確証バイアスです。

リスクが見えなくなる

多くの投資者は、不動産業者から示されたキャッシュフローだけしか見えなくなってしまいます。そこに必ずあるはずのリスクは、全く見ていないのです。わずか数回しか会っていない不動産会社に「私を信じれば大丈夫です」と言われて、本来確かめなければならない投資物件を一度も見ないで、億単位の契約をしてしまっています。住宅のローン契約では、必ず金融機関から「これくらいの頭金がいります。あなたの年収では、借りれるのは〇〇万円までです」と言われていたはずなのに。フルローンで借りれます。手付金は一切いりません。と都合の良いことだけを信じてしまっています。
まさに「見たいと欲する現実しか見えなくなる」のです。どんな優秀であってもこの心理に陥る可能性があります。

心理学を学びましょう

人は誰しもが「自分は正しい」と思い込む傾向があります。そして自分にとって都合のいい意見しか聞かなくなります。どうやら家族にも相談しないで契約した人がとても多いのです。
心理学は、精神的な弱者のための学問と思われているようですが、実際にはさまざまな分野で役立つ学問です。人を喜ばせる製品企画にも使われます。働きやすい環境づくりにも応用されます。人間のための学問です。人が陥りやすい心の働きを知ることで、リスクを回避するだけではなく、立ち直るきっかけづくりにもなります。

関連資格:投資不動産取引士